ビクトリア州、メルボルン、王立植物園 © Visit Victoria
メルボルン郊外ガイド
のんびりとした海辺の郊外から市内中心部のストリートアートで覆われた小道まで、メルボルンの近隣はエキサイティングであると同時に折衷的です。
原文:ナターシャ・ドラガン(Natasha Dragun)、カーリー・スペック(Carly Spek)
アートやスポーツが盛んで多様な文化が溶け合う都市、メルボルン(Melbourne)の周辺は、穏やかな海沿いの南東地区からコーヒーショップが軒を連ねる市中心部まで、変化に富むダイナミックな雰囲気に溢れています。メルボルンには広範なトラム路線(一部無料)が完備されているので、宿泊先の場所を問わず、市中心部を楽に移動できます。
セントラル・メルボルン
豆知識
ストリート・アートで覆われたAC/DCレーンは、オーストラリアで最も有名なロックバンドの一つに敬意を表して命名されました。
場所:市中心部、サウスバンク
歩きやすい小さなエリアに収まるメルボルン中心部には、曲がりくねったヤラ・リバー(Yarra River)に沿って、植民地時代から残る建物と現代風の建物が並んでいます。建物の合間には、控えめな作品から強烈なインパクトを放つ作品まで、変化に富むアートが配置されており、多数のコーヒーショップが軒を連ねています。さまざまな個性が生き生きと融合されたこの街は、碁盤目状に整備されているので迷うことなく探検できます。とはいえ、多種多様なストリートアートが描かれているレーンウェイ(路地裏)に敢えて迷い込んでみるのも、メルボルン観光の醍醐味です。
セントラル・メルボルン(Central Melbourne)は、イノベーションを凝らしたグルメで有名です。無料のシティー・サークル(City Circle)トラムを利用してクイーン・ビクトリア・マーケット(Queen Victoria Market)に向かいましょう。このマーケットには、ありとあらゆる美味しい食べ物が並び、ユニークなお土産を取り扱うショップも多数営業しています。セントラル・メルボルンの各所にあるストリートアートが描かれたレーンウェイ(路地裏)は、この街の風物詩です。レーンウェイにある「スーパーノーマル(Supernormal)」をはじめとする隠れ家風レストランや、一年中混み合っているタパス料理店「モー・ヴィーダ(MoVida)」などに、ぜひ足を運んでみましょう。
メルボルンにはファッションに敏感な人がたくさん住んでいます。また、生き生きとしたストリートアートが、市内各地の壁に描かれているなど、この街には面白い見どころがたくさんあります電動ボート「ゴー・ボート(GoBoat)」に乗ってヤラ・リバーでのんびりと水上ピクニックを楽しんだり、サウスバンク(Southbank)のリバーフロント地区を散策して有名ブランドのブティックを眺めたりしましょう。また、ビクトリア国立美術館(National Gallery of Victoria)では、世界的に有名な特別展が頻繁に開催されています。この他にも、メルボルンには「パリ・キャット(Paris Cat)」をはじめとする地下のジャズクラブなど、オシャレなスポットがたくさんあります。
ユニークなブティック・ホテルから豪華ホテルまで、メルボルンには宿泊施設のオプションが豊富に揃っています。中でも、「ノテル(Notel)」は遊び心溢れる非常に個性的な宿泊施設で、ビルの屋上に置かれた1970年代製のエアストリーム社製キャンピングカー6台のうちいずれかに宿泊します。一方、サウスバンクには、メルボルン随一の屋上プールを利用できる豪華ホテル「ザ・ランガム(The Langham)」があるほか、賑やかな市中心部にリーズナブルな価格で宿泊できる「オボロ・レーンウェイズ(Ovolo Laneways)」もあります。
メルボルンの南東のビーチ
場所:セント・キルダ、エルウッド、エルスターンウィック、ブライトン
メルボルン市中心部の南東には、ヤシの木とカラフルなベージング・ボックスが並ぶビーチ、太陽が降り注ぐカフェ、ウォーターフロントの広い遊歩道、湾に点在するヨットなど、リラックスした雰囲気とオシャレな風景が魅力的なサバーブ(地区)が広がっています。メルボルンで人気のビーチは、南に多くあります。どこまでも続く砂浜に打ち寄せる穏やかな波を思い浮かべてみましょう。
メルボルン南東部のビーチでは、ストリートフードから海の景色が眺められるダイニングまで、さまざまなグルメシーンを楽しめます。セント・キルダ(St Kilda)の賑やかなエスプラネード(Esplanade)沿いにある複合施設「ザ・エスパイ(The Espy)」には、人気のレストランが多数入っています。また、カフェ「モナーク・ケークス(Monarch Cakes)」でコーヒーとケーキを注文したり、セント・キルダ・ビーチ(St Kilda Beach)の軽食店「ピンク・フレーク(Pink Flake)」でフィッシュ・アンド・チップスを食べたりしましょう。
メルボルン南東に広がるビーチは、トレンディでシックな市中心部とは対照的に、リラックスした遊び心溢れる雰囲気が漂う場所です。エスプラネードの屋台を覗いてみたり、人気の遊園地「ルナ・パーク(Luna Park)」に行ってみたりしましょう。また、レンタサイクルでビーチに行って、長い歴史を持つ海沿いのプールで一泳ぎしたり、ウォーターフロントの遊歩道を散策したりしましょう。なお、ブライトンのビーチに佇むベージング・ボックスはお見逃しなく。
メルボルン南東部のビーチ地区にあるホテルは市中心部の宿泊施設より小規模な傾向がありますが、どこに泊まってもローカルならではの温かいおもてなしを受けることができます。セント・キルダのビーチ沿いにあるアール・デコ風の宿泊施設「プリンス・ホテル(Prince Hotel)」や、ブライトンのビーチ沿いにある「ブライトン・サヴォイ(Brighton Savoy)」に泊まって、海でひと泳ぎしましょう。
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メルボルンの美味しいコーヒー店
メルボルンの南東郊外
場所:サウス・ヤラ、プラーラン、ウインザー
メルボルン中心部の南東地区、サウス・ヤラ(South Yarra)、プラーラン(Prahran)、ウインザー(Windsor)は、美しい並木道沿いに豪邸が並ぶ高級住宅街です。これらの地区ではメルボルン屈指のレストランが営業しているほか、トゥーラック・ロード(Toorak Road)やチャペル・ストリート(Chapel Street)のハイクラスなショッピング街には人気のショップが多数並んでいます。
メルボルンの南東地区では、美味しいグルメとワインを一日中楽しめます。プラーラン・マーケット(Prahran Market)で、種類が豊富なデリカテッセンや淹れたてのコーヒーを味わいましょう。また、この地域では、現代風のアジア料理を楽しめる賑やかなフードコート「ホーカー・ホール(Hawker Hall)」に加え、多数の軽食店が営業しています。日没後はチャペル・ストリートのバーに足を運んで、おすすめ料理を少しずつ色々と試してみましょう。
メルボルン中心部の南東地区には、最高級のレストランや絵画のように美しい風景、思わず財布の紐を緩めてしまいそうなブティックが各所にあります。さまざまな植物がテーマ毎に植えられた王立植物園(Royal Botanic Gardens)を終日散策したり、オシャレな有名ブランドや個人経営のブティックが建ち並ぶチャペル・ストリートでショッピングを楽しんだりしましょう。
メルボルン中心部の南東地区で思い切り遊んだ後は、疲れた頭と体をしっかりと休めましょう。この地区には、オシャレな宿泊施設がたくさんあります。オーストラリアのアーティスト、故アダム・カレン氏(Adam Cullen)に因んで名付けられたシックなホテル「ザ・カレン(The Cullen)」は、夜静かにぐっすりと眠りたい方にお勧めです。サウス・ヤラの「ザ・コモ・メルボルン(The Como Melbourne)」も、人気のスタイリッシュな宿泊施設です。また、「ユナイテッド・プレーシズ(United Places)」に宿泊すれば、客室から王立植物園を望めます。
メルボルン - インナー・イースト
ここでちょっとアドバイス
3月から9月はオーストラリアン・フットボール(AFL)のシーズンです。熱い試合を観戦しましょう。
場所:リッチモンド、コリングウッド、アボッツフォード
メルボルン中心部の東側は活気溢れる多文化地区です。この地区を訪れると、メルボルンがオーストラリアでスポーツが最も盛んな都市と言われる理由がすぐ分かります。この地区には有名なスタジアムに加え、周辺に人気のバーやコンサート会場もあるので、競技を問わずスポーツ好きが大勢集まります。また、ビクトリア・ストリート(Victoria Street)はベトナム街「リトル・サイゴン(Little Saigon)」として知られており、美味しい軽食店が多数軒を連ねています。
楽し気なパブで現地のスポーツファンと一緒にお気に入りのチームを応援しましょう。また、一流のナイトライフを楽しみたい方は、思い切りオシャレをしてメルボルンの南東地区に出かけましょう。試合がある日は、有名なパブ「コーナー・ホテル(Corner Hotel)」で生演奏を聞きながら冷えたビールとパブメニューを楽しめます。この付近には高級料亭もあり、「南島(Minamishima)」ではおまかせコースで寿司を握ってもらえます。
メルボルン中心部の東側にはスポーツ施設「メルボルン・クリケット・グラウンド(Melbourne Cricket Ground)」や「ロッド・レーバー・アリーナ(Rod Laver Arena)」があるので、ぜひ見学してみましょう。また、施設周辺にも素敵な見どころがたくさんあります。ブリッジ・ロード(Bridge Road)やスワン・ストリート(Swan Street)で思い切りショッピングを楽しんだら、ヤラ・リバー沿いの歴史ある修道院「アボッツフォード・コンヴェント(Abbotsford Convent)」で一休みしましょう。美しい庭園を持つこの修道院は地域のイベント会場として使用されており、コンサートやパフォーマンスが開催されています。
メルボルン中心部の東側には、スケジュールの詰まった日程をこなした後にしっかり休める宿泊施設がたくさんあります。個性的なデザインを取り入れた客室が印象的な「エレメント・メルボルン・リッチモンド(Element Melbourne Richmond)」では、疲れた頭をゆっくり休められます。メルボルン・クリケット・グラウンドからすぐ近くの宿泊施設をお探しの方には、リッチモンドにあるアパート型の宿泊施設「ランブルク・アパートメント・ホテル(Lanbruk Apartment Hotel)」がお勧めです。この宿泊施設を利用すれば、試合会場にすぐ行けます。
メルボルンの北部郊外
場所:カールトン、フィッツロイ、ブランズウィック
メルボルン中心部の北側は、グルメにこだわる人達が注目する人気の地区です。「リトル・イタリア」として知られるカールトン(Carlton)には有名なイタリアンレストランが軒を連ねる一方、フィッツロイ(Fitzroy)やブランズウィック(Brunswick)では伝統にとらわれない自由なスタイルの飲食店が多数営業しています。メルボルンでは、市中心部から離れるほど、コンサート会場をはじめサービスや施設のバラエティが増す傾向があるので、体験できる内容も多様化します。
カールトンの「リトル・イタリア」に並ぶレストランに常連客が多いのには、理由があります。この地区のレストラン街はライゴン・ストリート(Lygon Street)で、通り沿いのデザインが目を引くホテル「ザガメズ・ハウス(Zagame’s House)」では、落ち着いた雰囲気のワインバー「ロード・ライゴン(Lord Lygon)」が館内で営業しています。また、ブランズウィックの目抜き通りであるシドニー・ロード(Sydney Road)では、世界各国の料理を楽しめます。シドニー・ロードには、「カトラー&コー(Cutler & Co)」をはじめとする人気レストランが軒を連ねており、美味しいディナーとともに特別な日をお祝いできます。
メルボルン北側の軽食店でお腹を満たしたら、近隣をさらに探検してグルメ以外の感動を見つけましょう。カールトン・ガーデンズ(Carlton Gardens)のメルボルン博物館(Melbourne Museum)で自然史と文化史の展示物を見学したり、レトロな雰囲気が素敵なシネマ・ノヴァ(Cinema Nova)で映画を観たりしましょう。さらに、ブランズウィック・ストリート(Brunswick Street)沿いに並ぶヴィンテージ・ファッション店や本屋を覗き、夜は生演奏に合わせてダンスを楽しみましょう。
メルボルン北側の地区には、静かで趣のあるものから都市の賑わいを感じられるものまで、さまざまな宿泊施設があります。活気あるレストランと防音設備が整った客室が揃うモダンでシックなホテル「ザガマズ・ハウス(Zagame’s House)」では、賑やかさと静けさの両方を楽しめます。一方、「パーク・ハイアット・メルボルン(Park Hyatt Melbourne)」は、周辺の地区をゆっくり散策できる一流の宿泊施設です。