小屋に滞在する「ミニマルな旅」 - 自然とのつながりを再認識して、心身ともにリフレッシュ

原文：フレイヤ・ヘリング、エイミー・フレイザー

最高の旅の思い出を作るのに、大きくて豪華なホテルに宿泊する必要はありません。近年は、大自然に囲まれた小屋に惹かれる観光客が増えています。オーストラリアの大自然に佇む小屋に宿泊する「ミニマルな旅」には、サステナビリティと環境保全のコンセプトが盛り込まれており、観光による自然への影響が最小限に抑えられています。

サザン・ハイランズでカンガルーを発見

サザン・ハイランズの森の中にあるワイルダーネスト（Wildernest）では、送電線からの電気を一切使用しない小屋が3軒、農場の中に佇んでいます。敷地内では太陽光発電による電力のみを使用しており、カントリーサイドでモダンなひと時を過ごせます。Wi-Fiは一切なく、屋外のバスタブにゆったりと浸かったり、焚火でマシュマロを焼いたりしてゆっくりと流れる時間を感じることができます。また、朝にはカンガルーを眺めながらベッドで淹れたてのコーヒーを楽しめます。近隣を探検したい場合は、周辺のハイキングコースやワイナリーに行ってみたり、カヤックにチャレンジしてみたりしましょう。

ノース・コースト中央部の農場に宿泊

グレート・ディバイディング山脈（Great Dividing Range）の山麓に佇むヌラ・ヌラ・ブラックスミス（Nulla Nulla Blacksmith）の「フォレスト・クリーク（Forest Creek）」は、非常にシックな造りのユニークな木造小屋です。フォレスト・クリークに滞在中は、オーガニック食品やグッズの詰め合わせ、ヨガ、マッサージ、瞑想、森林浴など、さまざまなデトックスサービスを利用できます。興味のあるものをぜひ予約しましょう。また、透き通った水が流れる小川で水遊びしたり、川沿いのハンモックでくつろいだりできます。

ビクトリア州のヤラ・バレーで、電気のない「オフグリッド」を体験

シンプルライフ・キャビン（Simple Life Cabin）に宿泊して、電気のない小屋で癒しのひと時を過ごしましょう。緑が生い茂る涼しい森の中、1.6ヘクタールの敷地に佇むこの小屋は、かつて陶芸家のアトリエとして使用されていた物件を改築したもので、送電線からの電気は一切使用しない「オフグリッド」の建物です。シンプルライフ・キャビンでは、自然とのつながりを改めて感じ、本来の自分を取り戻すことができます。テレビはなく、代わりにレコードプレーヤーがあります。また、薪を使用する暖炉があるので屋内は暖かく、食品を冷蔵しておけるエスキー（クーラーボックス）も利用できます。何もかもがシンプルで素朴な造りのシンプルライフ・キャビンですが、豪華な猫足バスタブだけは例外です。

ブリスベン近郊の隠れ家に宿泊してリフレッシュ

「スモール」、「サステナブル」、「太陽光発電」、「スタイリッシュ」をコンセプトに、自然への思いを大切にしながら営業を続けている小屋タイプの宿泊施設が、アンヨークド・エクスペリエンス（Unyoked Experience）です。ブリスベンにあるアンヨークドのキャビン「シベリー（Cybele）」は、木が生い茂る渓谷にひっそりと佇む、合板で作られた趣のある小屋で、外側は黒ペンキで塗られています。日没後は専用のピットで火を使ってキャンプを楽しめます。キッチンもあるので、屋内で簡単な夕食も作れます。シベリーでの宿泊はアドベンチャーなので、正確な所在地は予約が完了するまで秘密です。

マーガレット・リバーでロマンティックなひと時を過ごす

ロマンティックな雰囲気を醸し出すオシャレなツリー・シャレー（Tree Chalets）には、ネットフリックス視聴、コーヒーマシン、テスラの電気自動車用充電スタンドなどの設備やサービスが整っており、モダンなラグジュアリーを体験できます。ツリー・シャレーはサステナビリティを意識した運営を実践しているので、電力は太陽光発電から、水は雨水から供給されています。屋外に設置されたプライベートのバスタブにつかりながらワインを味わい、新鮮な食材が詰められたバスケットの贅沢な朝食でお腹を満たしましょう。また、森の遊歩道を歩きながら大切な人や大地とのつながりを感じましょう。

南オーストラリア州のカントリーサイドを満喫

CABNグループが運営するマチルダ（Matilda）は、広大なヴィンヤード（ワイン用ブドウ園）に囲まれたカイポー・フォレスト（Kuitpo Forest）の中にあります。マクラーレン・ベール・ワイン地域からすぐ近くという立地でありながら、静寂が心地良い森林も広がっています。マチルダの小屋は、現地で調達した建材を可能な限り使用し、持続可能性を考慮した手法を取り入れて作られています。小屋の内装はミニマリズムを意識したデザインとなっており、滞在中は、多忙な毎日から完全に開放された静かな時間を過ごせます。

ノーザンテリトリーで隠れ家に泊まる

ハイダウェイ・リッチフィールド（Hideaway Litchfield）には、輸送用コンテナを改装して作られたキャビンに宿泊できます。間取りは、1ベッドルームと2ベッドルームがあります。宿泊客のプライバシーを確保しつつ、友人グループや家族グループの利用者が互いに遠くなりすぎない程度の絶妙な距離に各キャビンが設置されています。外装は黒い波型の金属板で、室内は明るくエアコンも完備されています。実用的なキッチンが設置されている一方、20世紀半ばの懐かしいデザインの家具が置かれています。水は天然の地下水を汲み上げており、電力の一部は太陽光発電です。キャビン周辺に広がるリッチフィールドの見どころを探検してみましょう。特に、車で30分の距離にあるフローレンス滝（Florence Falls）の泳げる綺麗な水場がお勧めです。

ガンダガイで贅沢なひと時を過ごす

ニュー・サウス・ウェールズ州のカントリーサイドに広がる2,800ヘクタールの広大な牧羊・牧牛地にあるキモ・エステート（Kimo Estate）に、エコ・ハット（Eco Hut）が佇んでいます。ハット（小屋）は全部で3棟あり、サステナビリティとラグジュアリーを追及したデザインが取り入れられています。薪ストーブのコンロ、高級リネン、床から天井まで届く大きな窓があるほか、地産の食材を使用した朝食を楽しめます。各小屋は宿泊客のプライバシーを確保できるよう、互いに数キロ離れた位置にあります。薪で沸かした湯を張ったバスタブに、人の目を気にせずゆっくりと浸かりましょう。

タスマニア州北部の海岸沿いでリラックス

コンパス・ハット（Compass Hut）は、控えめなサイズでありつつも内装は非常に豪華で、壁がブラックに統一されたベッドルーム、ペンダントライト、ゴールドのリネン、モノトーンのコントラストが映えるキッチンなどがそろっています。小屋のすぐ外に有機農園があり、自家栽培の野菜を自分で調理して食べられます。都会の喧騒を完全に忘れられる静かな立地ですが、タスマニア州第二の都市であるロンセストン（Launceston）から僅か1時間で行くことができます（カタラクト渓谷 [Cataract Gorge] は必見ポイントです）。ロンセストンと逆方向に1時間車を走らせれば、壮大な風景が広がるクレイドル・マウンテン ー セント・クレア湖国立公園（Cradle Mountain-Lake St Clair National Park）に到着です。