ニュー・サウス・ウェールズ州、ロード・ハウ島、リジバード山とゴワー山 © Tom Archer
ニュー・サウス・ウェールズ州、ロード・ハウ島、リジバード山とゴワー山 © Tom Archer
オーストラリアで最も環境に配慮している目的地
オーストラリアには、自然との共生やサステナビリティを意識した取り組みを強化している旅の目的地が各地にあります。
クイーンズランド州北部(Tropical North Queensland)にあるポート・ダグラス(Port Douglas)には、デインツリー・レインフォレスト(Daintree Rainforest)とグレート・バリア・リーフ(Great Barrier Reef)という2つのユネスコ世界遺産があります。この地域には持続可能な体験が数多くありますが、モスマン渓谷カルチャーセンターは必見ポイントです。地元のククヤランジ(Kuku Yalanji)族のガイドとともに、雨林のさらさら流れる小川をトレッキングしながら、伝統的な環境保護の方法について学ぶことができます。また、セイルアウェイ(Sailaway)のような気候変動に対する取り組みのリーダーたちが催行するツアーで外礁を訪れることもできます。セイルアウェイは、サンゴの育成、サンゴ礁の健康状態の監視、二酸化炭素排出量の相殺を目的としたプログラムを支援するシュノーケリング・チャーターを提供しています。
パースから南へ車で3時間のところにあるマーガレット・リバー(Margaret River)地域。オーストラリアでも指折りの美しさを誇る自然のビーチや、独特の姿を見せる森があり、ワイン産業も盛んです。農場とワイナリーが統合されたグレナーティ・ロード(Glenarty Road)を訪れ、緑鮮やかな野菜畑の横でゆっくりとランチを楽しんだ後、フォレージ・オン・ザ・ファーム(Forage on the Farm)ツアーに参加してみましょう。農薬や肥料を使わずに、羊、豚、野菜、ワイン用ブドウが一緒に飼育および栽培されている様子を見ることができます。パッセル・エステート(Passel Estate)では、自然とワインを堪能できるプライベート・ウォークを楽しむことができます。地域のポッサムの隠れ家となっているブッシュランドの保護区をのんびり歩きながら、この地域で最高級のワインを味わってください。
シドニーまたはブリスベンから飛行機でわずか2時間半で行ける、火山島のノーフォーク島(Norfolk Island)。大陸から離れ、太平洋の海底からそびえ立っています。風変わりでありながら絵画のように美しいオアシスに暮らすコミュニティのメンバーは、島の生態系を守るために、廃棄物を再利用可能なショッピングバッグに変えるなど、創造的で持続可能な取り組みに熱心に取り組んでいます。この島には哺乳類や蛇が生息しておらず、豊富な鳥類と、緑の農地、世界遺産に登録されたオーストラリアの囚人遺跡群が有名です。植物園(Botanic Gardens)とノーフォーク島国立公園(Norfolk Island National Park)を訪れて、ノーフォーク島の象徴となっているノーフォーク・マツ、木生シダ(地球上で最も背が高い)、そして美しい野生のハイビスカスを見てみましょう。
サザン・グレート・バリア・リーフ(Southern Great Barrier Reef)のレディー・エリオット島(Lady Elliot Island)は、サステナビリティに配慮した取り組みの最先端に立っています。この島のレディー・エリオット・アイランド・エコリゾートリゾート(Lady Elliot Island Resort)は、エコ認証と気候変動対策認証の両方を取得しており、再生可能エネルギーのみを使用し、植生の回復、外来種の駆除、ゲスト向けの持続可能性教育に積極的に取り組んでいます。この島はオニイトマキエイと一緒にシュノーケルができる場所としてオーストラリアの中でも高い人気があります。さらにダイバーには、プロジェクト・マンタ(Project Manta)と呼ばれる市民科学保護プログラムに参加するチャンスがあります。それぞれのオニイトマキエイは身体の下側に付けられたマークで識別でき、ダイバーにはオニイトマキエイの生態の謎を解き明かすために、写真を撮って送信することが推奨されています。
カンガルー島(Kangaroo Island)は南オーストラリア州の海岸線から13kmしか離れていない島で、自然愛好家にとっての楽園と言われています。この海辺の楽園は、野生動物が多数生息していることや、リグリア蜂の純粋ハチミツからサステナブルな方法で養殖されたカキまで、環境に配慮した食料生産が盛んなことで有名です。エクセプショナル・カンガルー・アイランド(Exceptional Kangaroo Island)が主催するラグジュアリーな一日ツアーでこの素晴らしい島を体験しましょう。エシカルかつ動物に負担のない方法で、自然な環境にいる野生動物を見学できます。野生のコアラ、カンガルー、珍しいオーストラリア・アシカを見て歓声を上げることができます。ランチにはカンガルー島でサステナブルな方法で生産されている美味しい農産物を使ったプライベート・バーベキューを楽しみましょう。
タスマニア州にあるブルーニー島(Bruny Island)。海岸には壮大な断崖があり、陸地には素朴な農地が広がっています。環境に配慮した旅行先として人気がある南部のスポットです。ホバート(Hobart)から車でわずか1時間のこの島では、海でさまざまなアクティビティを体験したり、オーガニック食品の生産者を訪ねたり、タスマニア州の固有種である12種類の鳥すべてに出会うことができます。アースチェック(Earthcheck)に認定された43デグリーズ(43 Degrees)アパートメントに滞在し、大自然の真ん中でのんびり過ごしてみましょう。ブルーニー・アイランド・チーズ・カンパニー(Bruny Island Cheese Co)では、排水や副産物の処理とリサイクルに取り組んでおり、試食も可能です。またハイキングや、エコ認証取得のブルーニー・アイランド・クルージズ(Bruny Island Cruises)のツアーでドラマチックな海岸線を巡る、といった楽しみもあります。
シドニーから西へ少し車を走らせると、2,680平方キロメートルの広大なブルー・マウンテンズ(Blue Mountains)があります。そこには、岩の断崖、谷、森林に覆われた渓谷、滝、そして澄んだ山の空気があります。この場所を象徴する(そして上級エコツーリズム認証を受けた)シーニック・ワールド(Scenic World)は必見ポイントです。世界一急勾配の鉄道に乗ったり、空中ケーブルカーに乗ってジェイミソン・バレー(Jamison Valley)へと下ったりできます。さらにスリルを味わいたいなら、ハーネスを装着してケーブルカーの屋根に上がるビヨンド・スカイウェイ(Beyond Skyway)がおすすめです。地面から離れずに楽しみたいという方は、トレッド・ライトリー・エコ・ツアーズ(Tread Lightly Eco Tours)による、深い知識を学べる(かつ持続可能な)ツアーに参加してみましょう。
メルボルンの郊外にあるモーニントン半島(Mornington Peninsula)は、グルメの楽しみが一杯。バイオダイナミック農法による食品とワインのシーンが活気づいており、試食や試飲が楽しめます。モーニントン半島のワイン・フード・ファームゲート・トレイル(Wine Food Farmgate Trail)を辿って、獲れたてのイチゴから、伝統野菜までさまざまなものを試食してみましょう。日帰り旅行では、モーニントン・ペニンシュラ・プランジ・ワイン・ツアーズ(Mornington Peninsula Plunge Wine Tours)のオーガニック・アンド・バイオダイナミック・ツアー(Organic and Biodynamic Tour)に参加すると、この地域の味を堪能できます。オーガニックのブドウ園や酪農場を訪れた後、地元産の食材を使ったランチとペアリングワインを楽しみましょう。もう少し長く滞在して、1998年より上級エコツーリズム認証を受けているムーンレイカー・ドルフィン・スイム(Moonraker Dolphin Swims)で海に出かけ、野生のアザラシやイルカと一緒に泳いでみてはいかがでしょう。
タスマニア州で環境に配慮した旅行先を見つけるのは簡単です。素晴らしいフレシネ半島(Freycinet Peninsula)はこの州のハイライトの一つです。この地域は息をのむほど美しい国立公園とサステナビリティに配慮したカキ養殖で有名です。オイスター・ベイ・ツアーズ(Oyster Bay Tours)が主催するツアーに参加すれば、さまざまな方法でカキ養殖の世界に触れることができます。防水着を身につけ、ガイドと一緒にカキ養殖場へ出かけましょう。そこで、地元産のワインを片手に、ジューシーなカキを頬張りましょう。夜は、ラグジュアリーでありながらサステナビリティに配慮したサファイア・フレシネ(Saffire Freycinet)で、ぐっすりと眠りましょう。