インディアン・パシフィック号で行く4日間の列車の旅
シドニーからパースを走る素敵な列車の旅で大陸を横断して、オーストラリアのアウトバックをスタイリッシュに探索してみませんか。
原文:アリッサ・ジェンキンス
インディアン・パシフィック(Indian Pacific)鉄道と同じくらい素敵な列車の旅はそうありません。オーストラリアの東海岸シドニーから大陸を横断して西のパースに至るまで、この列車は目を見張るほど素晴らしいブルー・マウンテンズ(Blue Mountains)から無限に平らで別世界のようなナラボー平原(Nullarbor Plain)の広がりといった様々な風景を通り抜けていきます。快適な客室、素晴らしい食事、興味深い1日ツアーの内容は、往路と復路では異なります。
見どころ
- ブロークン・ヒル(Broken Hill)の豊かな芸術の歴史をちらっと見る
- 南オーストラリア州で最高の食とワインをたしなむ
- ナラボー平原(Nullarbor Plain)のこの世のものとは思えない風景を見る
基本データ
- 期間:4日間
- 距離:4,352km
- 移動手段:電車
- 最寄りの主要都市:シドニー、パース、アデレード
- 料金:$$$$
1日目:シドニーからニュー・サウス・ウェールズ州のアウトバックへ
午後
シドニーのセントラル駅(Central Station)から乗車して、風景が高層ビルや信号機から森に囲まれた谷や驚異的なブルー・マウンテンズ(Blue Mountains)の砂岩の崖に変わっていく様子を見ながら客室でゆったりと午後を過ごしましょう。車内ラジオには音声解説のオプションもあります。
東行き(パースからシドニー)の列車には雄大なブルー・マウンテンズへの車外ツアーが含まれていて、壮大なエコー・ポイントのスリー・シスターズ(Three Sisters at Echo Point)や素晴らしい光景のジャミソン・バレー(Jamison Valley)を見物できます。
夕方
太陽が山脈の後ろに沈む頃には、ハーディ・マルガ(オーストラリアの自生低木)や広大な平野に特徴づけられるニューサウス・ウェールズ州の乾燥地帯に進んでいきます。クイーン・アデレード・レストラン(Queen Adelaide Restaurant)の夕食の後は、アウトバック・エクスプローラ・ラウンジ(Outback Explorer Lounge)でウェルカム・ドリンクを飲みながらほかの乗客に会ってみましょう。
2日目:ブロークン・ヒルからアデレードへ
朝
2日目はブロークン・ヒル(Broken Hill)から始まります。この町は以前、鉱山の町として栄えましたが、近年ではこの特徴的な砂漠の光景がたくさんの芸術家たちにインスピレーションを与えています。1時間の散策ツアーでこの街を象徴するリビング・デザート彫刻(Living Desert Sculptures)を探索したら、プロ・ハート・ギャラリー(Pro Hart Gallery)を訪れて、アウトバックの精神を作品で表現しているオーストラリアで有名な芸術家について学んでみませんか。
午後
車内で昼食を楽しんだ後は、南オーストラリア州の食であふれた緑色と黄金の平原に進んでいきます。ここでは車外ツアーのオプションがいくつかあります。絵画のように美しいバロッサ・バレー(Barossa Valley)やマクラーレン・ベール(McLaren Vale)ワイン地域、魅力的な先祖伝来の町ハンドルフ(Hahndorf)(アデレード・ヒルズ(Adelaide Hills)地域内)、南オーストラリア博物館(South Australian Museum)のプライベート・ガイド・ツアーなど、どこで午後と夕方を過ごすかはあなた次第です。どのツアーもドリンクと夕食付きです。この後乗客はアデレードから再び乗車して、ナラボー平原を横断する旅を始めます。
東行きは午前中にアデレードで停車し、アデレード市内を回る観光バス・ツアー、有名なアデレード中央市場(Adelaide Central Markets)での進歩的な朝食、アデレード・オーバル(Adelaide Oval)のガイド付きツアー、または市内と川の散策ツアーを行います。
3日目:ナラボー平原からロウリナへ
朝
日の出のころには、ナラボーの衝撃的な手つかずの美があなたを迎えます。ラテン語で「木がない」という意味のこの広大なアウトバックの平原は、何世代ものオーストラリア人と観光客をけむに巻き、インスパイアしてきました。無限に広がるさび色の地面と頑健なアウトバックの低木で覆われたナラボー(Nullarbor)は200,000平方キロメートルあり、南オーストラリア州と西オーストラリア州を跨いでいます。ここでは「死ぬ前にやっておきたいことリスト」に入る体験ができます。
午後
西オーストラリア州に入ったら、遠隔地ロウリナ(Rawlinna)の特別な夕食ででオーストラリアで最も有名な平原の横断を祝いましょう。乗客は一旦下車して、アウトバックの輝く星空の下で伝統的な長テーブルでの夕食に招待されます(季節限定)。大牧羊場以外は何もない広大な場所(最寄りの町カルグーリー(Kalgoorlie)とは400km以上離れています)でのオープンエアの食事は忘れ難い経験となることでしょう。
東行き(パースからシドニー)のインディアン・パシフィック号は、大自然広がる西のゴールドラッシュ・タウン、カルグーリーへの旅も追加で提供しています。
4日目:西オーストラリア州のアウトバックからパースへ
朝
インディアン・パシフィック号が絵画のように美しいゆるやかな丘陵地帯と曲がりくねった川のパッチワークのようなエイボン・バレー(Avon Valley)に進むにつれて、風景もまた変化します。豊饒な農地とたまに浮かんでいる熱気球を通り過ぎると、パース市外が見えるようになり、旅程は終わりに近づきます。
午後
インディアン・パシフィック号が素晴らしい大陸横断を経て西側に到着したあとは、宿泊施設に直接送ってもらうか、またはツアーをアップグレードしてパース(Perth)を探索することもできます。パースのツアーではキングス・パーク(Kings Park)からのシティの眺望を眺めたり、スワン・リバー(Swan River)と絵画のように美しい前浜の公園周辺を散策したり、トレンディなブティックやレストランのあるスビアコ(Subiaco)や高級市場向けショッピング、有名な「ミリオネアズ・ロー(Millionaire's Row)」のあるクレアモント(Claremont)を訪れるのもよいでしょう。WACA・クリケット・グラウンド(WACA Cricket Ground)、町役場(Town Hall)、パース造幣局(Perth Mint)、国会議事堂(Parliament House)、クラウン・カジノ(Crown Casino)、兵舎アーチ(Barracks Arch)といったシティのランドマークも楽しめます。
パースの交通機関を使えば、美しいロットネスト島(Rottnest Island)や愛らしいクオッカ、ポートサイドのフリーマントル(Fremantle)のかっこいい文化とアート・シーン、スワン・バレー(Swan Valley)のブドウ園、インド洋で水泳を楽しめる愛すべきコテスロー・ビーチ(Cottesloe Beach)などにシームレスにアクセスすることができます。パースの豊かな遺産に興味があるなら、バラック・スクエア(Barrack Square)のベル・タワー(The Bell Tower)、パース・ミント(Perth Mint)、西オーストラリア海洋博物館(WA Maritime Museum)に向かい、世界遺産に登録されている刑務所のツアーに参加する前にフリーマントルの曲がりくねった道を散策してみましょう。