ナラボーを横断

1日目：ノースマンからバラドニアへ

パースから車で8時間走り、ナラボーの旅の起点となるノースマン（Norseman）まで行きます。ナラボー・リンクス（Nullarbor Links）は、2つの州と2つのタイムゾーンにまたがる18ホール、パー72のゴルフコースです。ここでプレイを楽しんでみるなら、回り道をして、ゴールドラッシュの町カルグーリー・ボールダー（Kalgoorlie-Boulder）に行かなければなりません。まずはビジター・センターでスコアカードを買ってください。最初の2ホールはカルグーリー・ゴルフ・コース（Kalgoorlie Golf Course）にあり、そしてカンバルダ・ゴルフ・クラブ（Kambalda Golf Club）に1ホール、ノースマン・ゴルフ・クラブ（Norseman Golf Club）に2ホールあります（ゴルフクラブは各コースで借りることができます）。カルグーリーとノースマン間は190kmです。昔のラクダの隊商を原寸大で再現したモニュメントを見学してから、エア・ハイウェイ（Eyre Highway）を東に走りましょう。ダンダス自然保護区（Dundas Nature Reserve）の森を抜け、フレイザー山脈（Fraser Range）の花崗岩の丘に登ってください。この丘の周囲には世界最大のユーカリの硬材林が広がっています。そびえ立つブラックナットやサーモン・ガム、グリーン・ギムレットの木の間を歩き、森の向こうにそびえるマウント・プレザント（Mount Pleasant）を眺めましょう。フレイザー山脈（Fraser Range）の羊の放牧場（ノースマンから東へ105km）を訪ね、ブッシュウォーキングで鳥やラクダ、ワイルドフラワーを探してみてください。そしてここで、パー3のシープス・バック（Sheep's Back）ホールでプレイしましょう。さらにニューマン・ロック（Newman Rock）まで東に40km走り、森や山、平原の景色を楽しみましょう。もうあと50km東に行くとバラドニア・ロードハウス（Balladonia Roadhouse）に到着です。ここは、西オーストラリア州から南オーストラリア州へ向かうナラボー平原のロードトリップの、最初の停車地点です。1979年、バラドニアの町は世界中のニュースをにぎわせました。アメリカの人工衛星スカイラブの一部がここに落ちてきたのです。入場無料のバラドニア・カルチュラル・ヘリテージ・ミュージアム（Balladonia Cultural Heritage Museum）で、その一部を見ることができます。また、この博物館にはアボリジナルピープルの遺跡、ヨーロッパ人の開拓と移住に関するもの、地元の植物や動物なども展示されています。博物館はロードハウス内にあります。ロードハウスには、プール、レストラン、宿泊できるゲスト・ルームやキャラバン・パークなども利用できます。 

2日目：バラドニアからカイグナ

1日のスタートはロードハウスの美味しいコーヒーから。水や食料を買ってガソリンを補給したら、低木地帯を抜けて（ヘビに注意）パー3のスカイラブ（Skylab）ホールでプレイします。ここからゴルフコースは独特になっていきます。ナラボー平原にあるホールはグリーンとティーと、低木地帯を通る岩だらけのフェアウェイからなります。このコースでのプレイは、一風変わったオーストラリアのアウトバック体験になることでしょう。ロードハウスで、近くにある景色の素晴らしい平坦な平原、バラドニア・ロックス（Balladonia Rocks）までの行き方を聞きましょう（バラドニアは「大きな赤い岩」を意味するアボリジナルピープルの言葉に由来します）。パラドニアから東へ14km行くと、アフガン・ロックス（Afghan Rocks）に着きます。昔のアフガニスタン人のラクダ乗りたちに水を供給した淡水ダムです。ここからは、90マイル・ストレート（90 Mile Straight）という全長147kmの世界最長の直線道路を走ります（象徴的な野生動物の道路標識をカメラに収めるのをお忘れなく）。終点のカイグナ（Caiguna）から海岸に向かって南にドライブして、カイグナの潮吹き穴（Caiguna Blowhole）を見学します。木々の間にあるパー4の90マイル・ストレートをホールアウトしたら、今夜はジョン・エア・モーテル＆キャラバン・パーク（John Eyre Motel and Caravan Park）で食事をとり一泊してください。

3日目：カイグナからマデューラへ

カイグナ・ロードハウス（Caiguna Roadhouse）から65km走ると、かつてアボリジナルピープルの伝道所だったコックルビディ（Cocklebiddy）に到着します。ここにはパー4のイーグル・ネスト（Eagles Nest）ホールがあります。もしあなたが4WDを持っていて、さらに悪路の運転の経験があるなら、ナイツランド自然保護区（Nuytsland Nature Reserve）を探索してみましょう。見事な海岸の風景に沿って続く、世界で最も長い崖のひとつをぜひ見てください。そして、事前に予約しておいた世界初の野鳥観察地であるエア野鳥観察地（Eyre Bird Observatory）に行きましょう（ここで宿泊することもできます）。この観察地は、森とビーチからほど近い砂丘との間にある1897年建設の石のテレグラフ・ステーションの中に、1977年に造られました。エア・ハイウェイを下りて南東に34kmほど行ったところにあり（4WDでしか行けません）、ハイムネメジロ、さえずるミツスイ、チャイロハヤブサ、白とピンクがかわいらしいクルマサカオウムなどの珍しい鳥たちに会えます。エア・ハイウェイに戻り、マデューラ（Madura）まで92kmドライブします。マデューラはアデレードとパースの中間地点でです。第一次世界大戦のオーストラリア軍の径騎兵隊用にウェーラー（Walers）と呼ばれる屈強な馬の繁殖が行われていましたが、現在では牧羊場になっています。すぐそばのロードハウスで、パー3のブランビーズ・ラン（Brumby's Run）ホール（brumbyとは野生の馬の意）にボールを沈めたら、ガソリンを入れてゆっくり休んでください。

4日目：マデューラからボーダー・ビレッジ

マデューラから、ハイウェイはいくつもの丘を越え、遥かな地平線に向かって伸びています。何もさえぎるもののない117kmの道が、オーストラリア最大の隕石が発見された場所、マンドラビラ（Mundrabilla）のロードハウスまで続きます。パー4のWatering Hole（ウォータリング・ホール）を終えたらロードハウスで食料と水と燃料を補給して、ユークラ（Eucla）のハンプトン台地（Hampton Tableland）の上まで66kmのドライブをしましょう。常に姿を変え続ける、魅力的なユークラ国立公園（Eucla National Park）の砂丘があります。ここにはかつて国内で最も多忙な、地方の古いテレグラフ・ステーションがありましたが、その建物は徐々に、砂丘に埋没しつつあります。かつて開拓民に食料を運んできた船が停泊したという桟橋の残骸まで歩いて、白い砂浜を楽しんでください。小さな博物館を見学し、絶壁から開けた景色を眺めましょう。ユークラに戻り、ユークラ・ゴルフ・コース（Eucla Golf Course）にあるパー4のナラボー・ニンフ（Nullarbor Nymph）ホールをプレイしたら、12kmドライブしてボーダー・ビレッジ（Border Village）で南オーストラリア州との境界線を越えます。ボーダー・ビレッジ・ロードハウス（Border Village Roadhouse）のプールで泳いでさっぱりして、軽く食事をしたら、今夜はここで一泊。快適なベッドで眠ってください。

5日目：ボーダー・ビレッジからナラボー・ロードハウスへ

まずは、ジャイアント・カンガルー（Giant Kangaroo）に行き、パー3のボーダー・カンガルー（Border Kangaroo）ホールをプレイしましょう。そのあとは、水と食料と燃料を補給してください。ナラボー国立公園（Nullarbor National Park）を通ってエア・ハイウェイを進みます。世界最長の海食崖である、高さ90m、長さ200kmの切り立つブンダ・クリフ（Bunda Cliffs）の景色が広がります。崖の上には案内板のある5か所の見晴らし台があり、そこからオーストラリア大陸の南端が海に向かって急速に落ち込む様子を眺めることができます。崩れやすい花崗岩崖の上を歩く時は足元に注意してください。ハイウェイはこのあたりから1本の木も見えず、どこまでも果てしなく続く典型的なナラボー平原の風景の中を走ります。荷物を運ぶため急いで大陸を横断するセミトレーラーや連結トレーラーをたくさん見かけるでしょう。ボーダー・ビレッジからナラボー・ロードハウス（Nullarbor Roadhouse）までは184kmです。最近改装したロードハウスにある、パー5のディンゴーズ・デン（Dingo's Den）ホールでまずはプレイ。そして、ロードハウス内のバーに飾られたオーストラリアのミュージシャンたちの壁画を眺めてみてください。夕食の後、ここで通りすがりのトラッキーと呼ばれるトラックの運転手やグレイ・ノマドたち（キャラバンを引いて全国を回るドライバーを引退した人たち）と、ビリヤードの対戦をしてみてはいかがでしょう。邪魔な光がまったくない夜空を見上げて、南十字星や南半球の星座を眺めるのもお忘れなく。

6日目：ナラボー・ロードハウスからセドゥナへ

ここから先、ナンドルー（Nundroo）まではアボリジナルピープルのヤラタ族（Yalata Aboriginal）の所有地で、ハイウェイを降りる場合は彼らの許可が必要です。南へ向かうわずか20kmの区間で、ホワイト・ウェル（White Well）のレンジャー・ステーションのどこかに寄って許可をもらってください。そしてヘッド・オブ・バイト（Head of Bight）に行きます。ここのホエールウォッチング場所は、クジラの養育を見ることができる、世界でも有数の陸上からの観察スポットです。この保護水域では、毎年5月から10月にかけて、体長18mにまで成長するジンベエザメが交尾、出産をします。ハイウェイに戻り、130kmドライブして、次のナンドルー（Nundroo）のロードハウスに行きます。ここに、パー5のウォンバット・ホール（Wombat Hole）があります。55kmほど回り道をして、ファウラーズ・ベイ（Fowlers Bay）に行きましょう。絵画のように美しい釣りの天国です。ファウラーズ・ベイ自然保護公園（Fowlers Bay Conservation Park）で、険しい海食崖からクジラを眺めたら（オットセイやアシカにも出会える、ホエール・ウォッチング・ボートツアーに参加することもできます）、砂丘のハイキングや野生動物との出会いも楽しんでみてください。ここからぺノン（Penong）までは71kmです。風車博物館でたくさんの昔の風車を見学して、ぺノン・ゴルフ・コース（Penong Golf Course）のパー4のウィンドミル・ホール（Windmills Hole）でプレイしましょう。ぺノンから22kmほど南のカクタス・ビーチ（Cactus Beach）で、世界クラスの波のサーフィンにチャレンジしたり、ネットに囲まれた水域で泳いだりして楽しみましょう。ぺノンから、入り組んだ砂浜のカーブが続くミュラット湾（Murat Bay）にあるセドゥナ（Ceduna）までは72km。セドゥナ・アボリジナル・アート＆カルチャー・センター（Ceduna Aboriginal Arts and Culture Centre）でアボリジナルアートやクラフト作品が買えます。そしてここで、ナラボー・リンクスの最後の2ホールをプレイしてゲームを終えましょう（セドゥナ・ゴルフ・クラブ（Ceduna Golf Club）のパー5のオイスター・ベッズ・ホール（Oyster Beds Hole）とパー4のダニエル・ベイ・ホール（Denial Bay Hole））。ここから、飛行機に乗ってアデレードまで戻ります。あるいは、再び800km近いドライブを始めることもできます。

アデレードで数日過ごすか、南オーストラリア州を巡る旅を続けましょう。カンガルー島（Kangaroo Island）は野生動物の宝庫で、グレート・オーシャン・ロード（Great Ocean Road）ではオーストラリアで最も魅力的な海岸沿いの道のひとつをドライブすることができます。