National Gallery of Australia, Canberra , Australian Capital Territory © VisitCanberra
カタリナ・クロスラコワがおすすめするキャンベラのショッピング
オーストラリアの主要な芸術施設の多くを抱える首都キャンベラは、魅力的なスタイルとデザインシーンも育んでいます。
編集:ナターシャ・ドラグン
ラグジュアリー・ライフスタイル誌『ウイニング』(Winning)の編集者カタリナ・クロスラコワは、キャンベラで最もスタイリッシュな人物の一人です。彼女のファッションとデザインのセンスは、クラシックでありながら個性的で、芸術面で注目を集めるキャンベラの街並みとよく似ています。キャンベラのスタイルに浸れる、カタリナお気に入りの場所を紹介します。
街のクリエイティブな人々との交流
ここでちょっとアドバイス
ニューアクトン地区は、オボロ・ニシ(Ovolo Nishi)ホテルを中心に展開しています。「オボロでは、イベントやマーケット、ジャズバンドの演奏があったり、ホワイエでの展示もよく行われたりしています」とカタリナは言います。「ボヘミアンな雰囲気と活気が満ちています」。
キャンベラのクリエイティブな人たちに、よく行く場所はどこかと尋ねると、おそらくシティ中心部近くのニューアクトン(NewActon)を挙げるでしょう。「2013年、一風変わったホテル・ホテル(Hotel Hotel)がオープンし、この地域がクリエイティブな人々の注目を集めるようになりました」とカタリナ・クロスラコワは言います。
そのホテルは現在オボロ・ニシ(Ovolo Nishi)と呼ばれていますが、元々のホテルと同じ独特のスタイルを持ってしています。「このホテルはさまざまな点で国内生産にこだわっているのです。ほとんどがキャンベラで作られたものです」とカタリナは言います。「地元の商品を紹介する素晴らしい機会となりました」。
オボロ・ニシでキャンベラの人々の職人技に触れた後は、同じニューアクトン内の、アートワールドADGを訪れてみましょう。このギャラリーは、アボリジナルピープルのドリーミングス・ギャラリー(Aboriginal Dreamings Gallery)の2館目のギャラリーとして、街の中心部にオープンしたものです。本館は街から車で20分の距離のニコルズ(Nicholls)にあります。ここでは、倫理的に調達された、アボリジナルアート作品や工芸品、手作りジュエリーを購入することにより、アボリジナルアーティストを支援しながら、ショッピングを楽しむことができます。
トレンドの中心地へ
LGBTQ+コミュニティを支援する虹色のロータリーから、異彩を放つブティックまで、シティ中心部から車で5分の位置にある都心北側の町、ブラッドンは「トレンドの中心地のようなもの」だとカタリナは言います。
この町は、大学生から高級品を求める買い物客まで、実にさまざまなタイプの人を惹きつけます。
目の肥えた買い物客は、ピンク・インク・ブラドン(Pink Inc Braddon)の洋服を目当てにやってきます。「このショップは、私がキャンベラで一番好きなファッションストアです」とカタリナは言います。「オーナーのジェーン・ペッターセンは絶対的なセンスを持っていて、本当に良いものを仕入れています。厳選されたコレクションは(オーストラリアのファッションブランドの)エラリー(Ellery)とビビアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)の融合のようなものです。ジェーンの商品は決して安くはありません。でも彼女は、その商品と手持ちの衣類をどう合わせれば良いか、一緒に考え、さまざまな方法を提案してくれます。
ブラッドンのメインストリートであるロンズデール・ストリートには、ハイブ(Hive)もあります 。「ここには、地元のアーティストや職人が集まっています。ジュエリーから陶磁器、スカーフ、キャンドルまで、あらゆるものが手に入ります。また、ここでは展示会も頻繁に開かれています。
隣にはバイソン(Bison)陶磁器ブティックがあります。「この店は、非常に滑らかで上質の陶磁器を作っています。とても洗練されていて、ブラッドンのレストランエイティシックス(eightysix)など、地元の多くの店で使われてます」と、カタリナは話します。そこを出たら、オリ(Ori)の、折り紙の折り目のような建物をお楽しみください。
北側の隣町、ディクソン(Dickson)には、工芸品のもう一つの大型店トローブ(Trove)があります。ここは毎日のように商品の入れ替えをしています。「ここは、作り手が店内の小さなスペースを借りて自分たちの商品を売る、という協同組合なのです」とカタリナは言います。ここにある人気の地元ブランドは、手刷りのトートバッグやクッションのバーサリア・ワークショップ(Bursaria Workshop)、服飾品のソバタ(Sovata)、3Dプリント・ジュエリーのゲーム・キャンディ(Game Candy)などです。
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オーストラリアの文化を象徴する名所
新興の地区を見て回る
クリエイティブなホテル・ホテルを立ち上げた会社、モロングロ・グループ(Molonglo Group)は、シティ中心部から南東へ車で15分の町フィッシュウィック(Fyshwick)の、新しいデイリー・ロード(Dairy Road)地区の開発も行っています。
共同所有者のネクター・エフカルピディスは、人、建築物、動物、植物が共存できるこの素晴らしい地域を作っています
「このおかげで、コミュニティが本当によくまとまっています。ここには、醸造所やジンの蒸留所を始め、チョコレートのブティックとショップのジャスパー・アンド・マートル(Jasper + Myrtle)(私は昨年のクリスマスに家族全員にこの店のチョコレートを買いました)や、手作りの文房具が手に入るフォーティ・トゥ・ラインズ(42Lines)のような、デザイン会社や職人まで揃っています。
フィッシュウィックには、デザイナー・Op・ショップ・エンポリアム(Designer Op Shop Emporium)もあります。ここには、ユニークな個人経営のビンテージ・ファッションや現代ファッションの屋台が驚くほど多く並んでいます。また、デザイナー・Op・ショップ・エンポリアムから車で1分または徒歩で5分の距離にあるマテリアル・プレジャーズ(Material Pleasures)を見に行き、最近のシーズンの中古デザイナーファッションを探すのもいいでしょう。
博物館でショッピング
見逃せない経験
変わったタイプのアートやデザインが手に入るのは、キングストン(Kingston)のキャンベラ・グラスワークス(Canberra Glassworks)です。「地元のアートを探しているなら最適です」と、カタリナは言います。「自分オリジナルのガラス製品を作ることもできますし、常設の展示を楽しむこともできます」。
「キャンベラにはランドマークになる見どころがいくつもあります」と、カタリナは言います。とりわけ、オーストラリア国立美術館(National Gallery of Australia)(NGA)には、驚異的な160,000点の収蔵品があり、そのうち7,500点はアボリジナルピープルとトレス海峡諸島の人々の作品です。NGAにはアート・ストア(Art Store)があり、「美しいショップで、地元の高級美術品や家庭用品を見て回ることができます」とカタリナは言います。
多くの市内施設に、このような地元品のブティックがあるので、見て回るのも楽しいでしょう。カタリナは次のように話します。「クエスタコン(Questacon)(国立科学技術センター)、王立オーストラリア造幣局(Royal Australian Mint)、そして国立樹木園(National Arboretum)にも、とてもよく整ったショップがあります。国立樹木園では、植物をテーマにした商品が特に素敵です」。