アデレードから​エア半島を​家族で​巡る​9日間の​ドライブ旅行

原文：アレクシス・バクストン・コリンズ

険しい海岸の崖、そびえ立つ砂丘、力強くうねる波が特徴のエア半島（Eyre Peninsula）は、年齢に関係なく、冒険を好むすべての人にとっての格好の遊び場となっています。ここ訪れる人は、輝く海から獲れたばかりのシーフードを味わい、フレンドリーな海洋生物と間近に接し、アウトバックが海と出会う古代の風景の中を旅することができます。この家族向けのドライブ旅行では、アデレードの賑やかな通りから、無人のビーチ、古代の岩群、そして見たこともない最高の夕日の風景を巡ります。

1​日目：アデレードの​グルメツアー

名実ともに食通の楽園であるアデレードの中央市場には、新進気鋭のシェフが望むものがすべて揃っています。通路を歩き、売り手たちが商品を売りさばく明るい声を聞きながら、世界中から集まったカラフルな生産品や食材を扱う75店以上の屋台をご覧ください。

ここでランチを食べたら、車で10分のヘーグス・チョコレート（Haigh’s Chocolates）へ行き、工場見学ツアーをします。子供も大人も大喜びの場所です。小さな豆から極上のチョコレートバーになるまでの、一つひとつの製造プロセスをすべて学べます。試食のために最後までしっかり見学することが大切です。

2​日目：アデレード周辺の​海辺の​町

30km以上にわたるビーチがあるアデレードでは、海辺の町に行ってお気に入りの完璧な浜辺を見つけるのも簡単です。グレネルグ（Glenelg）に行ってみてください。アデレード・オーシャン・サファリ（Adelaide Ocean Safari）で野生のイルカツアーを予約するのもいいですね。

アデレードからわずか10分の距離にある、ウェスト・ビーチ（West Beach）のメガ・アドベンチャー・パーク（Mega Adventure Park）では、子供たちは高い位置にあるワイヤーに登り、地域の全景を真下に見下ろすことができます。その後は、海岸線をゆっくりと北に進み、ポート・アデレード（Port Adelaide）の町に入ります。歴史ある電車やインタラクティブな体験を展示する国立鉄道博物館（National Railway Museum）に立ち寄ってみましょう。

3​日目：アデレードから​メルローズへ

• 所要時間：約3時間

まずは、アデレードの北部の町のドライブから旅を始めましょう。道を進むにつれ、回りの風景は多くの羊がいる放牧地や太陽の光をさんさんと浴びる小麦畑に変化していきます。1時間半ほどドライブすると、小さなオーバーン（Auburn）という町に到着します。有名な クレア・バレー（Clare Valley）の玄関口であるこの町には、訪問する価値のあるセラードアが数多く存在します。子供たちにとっては近くのミンタロ（Mintaro）の町のほうがもっと面白いかもしれません。荘厳なジョージアン様式の邸宅があり、謎に包まれたヘッジ・メイズ（迷路）の真ん中には願いをかなえてくれるという井戸があります。

さらに北に行くと、かつての鉱山の町バーラ（Burra）があります。ここは現在、19世紀の炭鉱労働者の生活がどのようなものだったかを示す野外博物館となっています。この付近で見つかった巨大生物の化石遺跡を展示している鉄道の駅に行くと、さらに時間を遡った冒険ができます。一日を締めくくりには、小さなメルローズ（Melrose）の町へ。ここは、南フリンダース山脈（Flinders Ranges）地域のマウンテン・バイクの聖地で、リマーカブル山国立公園（Mount Remarkable National Park）からも至近距離にあります。

泊まる：印象深い宿泊施設なら、ノース・スター・ホテル（North Star Hotel）はいかがですか。古いトラックを2台、巨大な秘密基地のような部屋に改装したホテルで、子供たちには素敵な思い出となるでしょう。

4​日目：メルローズから​クオーン経由で​ポート・オーガスタへ

• 所要時間：約1時間

リマーカブル山国立公園の端に沿って車で25分行ってから、アリゲーター渓谷（Alligator Gorge）へ下って行きます。ここでは、他の訪問者に出会うよりも、オレンジ色の険しい岩壁の間をさまよっているカンガルーを見つける可能性のほうが高いでしょう。

魅力的なクオーンの町を訪れ、ジャムとクリーム入りのスコーンを頬張ったら、周囲の丘の豊かな植生の隙間を行く美しいピチ・リッチ・パス（Pichi Richi Pass）をドライブしてください。ポート・オーガスタのアリッド・ランズ植物園（Arid Lands Botanic Garden）では、過酷な環境を原生植物がどのように生き延びたかについてカフェで学び、250ヘクタールの敷地を探索してみてください。園内にはちょっとした野鳥観察舎と赤い砂の砂場がある、フェンスで囲まれた子供用の庭園もあります。

5​日目：ポート・オーガスタから​ポート・リンカーンへ​ 

• 所要時間：3時間半
  

ワドゥラタ・アウトバック・センター（Wadlata Outback Centre）では、かつてこの地を歩き回っていた恐竜のことを学ぶとともに、巨大なトカゲの顎の中に這い上ってみることもできます。1時間ほどドライブするとワイアラ（Whyalla）に到着します。ここでは、毎年冬になると海岸線のすぐそばの岩礁にオーストラリアコウイカの大群が押し寄せます。雄イカは雌イカを誘惑するために、全身をきらめく虹色のキャンバスに変えて泳いでいます。地元のダイビングショップは、この魅惑的なショーを見るためのツアーを催行しています。

エア半島の東海岸に沿って進んで行くと、タンビー・ベイ（Tumby Bay）のサイロが見えてきます。その後、町の中に向かうと、町の建物を飾る多くのカラフルな壁画を見ることができます。白い砂浜を散歩してからポート・リンカーン（Port Lincoln）へと車を進めましょう。

6​日目：ポート・リンカーン

今日は早くからスタートしなければなりませんが、オーストラリアで最もスリル満点の冒険の一つですから、早起きの価値アリです。日の出とともにマリーナに向かい、ネプチューン諸島（Neptune Islands）へ向かう2時間のボートの旅に出発です。この島々を取り囲む栄養豊富な海は、ホホジロザメ（グレート・ホワイト・シャーク）の狩猟場です。

海上から、またはウェットスーツを着用して水中ケージの中から、壮大な獣の、自然の生息地での様子を観察しましょう。7mのサメがわずか数mの距離を泳いでいる様子は、怖いというよりも穏やかで、真に畏敬の念を抱かせる経験です。このために、遠くからさまざまな人が集まるのも納得です。海で長い一日を過ごした後は、フィッシュ・アンド・チップスをつまみ、夕日を楽しんでから宿泊施設にお戻りください。

7​日目：ポート・リンカーンから​ベアード・ベイへ​ 

• 所要時間：3時間

ポート・リンカーンの前浜沿いの散歩と、都市のレーンウェイ（裏路地）にあるような賑やかなカフェ、ザ・ローグ・アンド・ラスカル（The Rogue & Rascal）のコーヒーで一日を始めましょう。その後、オーストラリアで最も有名なカキの本拠地であるコフィン・ベイ（Coffin Bay）への道をドライブします。ウェーダー（防水のつなぎ）を身につけ、海岸からわずか数mの養殖場に向かいます。そこでは、フレンドリーなカキ養殖家の助けを借りて、海中から獲れたばかりの新鮮なカキの殻をむいて食べることができます。

半島のワイルドな西海岸に向かい、急な崖や、サーファーが好むパワフルなうねりがある、起伏に富んだビーチを見ながら進みます。次の2時間の間に、魅力的な入り江がたくさん見えてきますが、打ちつける波と風が砂岩の崖を侵食してできた巨大な洞窟のあるタリア・ビーチ（Talia Beach）を見つけるまでお待ちください。

8​日目：ベアード・​ベイから​ポート・ピリーへ

• 所要時間：約5時間

ベアード・ベイ（Baird Bay）で最も有名な住民には、ボートに乗ってすぐのところで出会えます。元気なアシカたちのコロニーには、約100頭の「海の犬」たちが生息し、海中を素早く泳いで人間と戯れたり、あらゆる動きを真似たりしています。ベアード・ベイ・オーシャン・エコ・エクスペリエンス（Baird Bay Ocean Eco Experience）では、そこからさらに沖合の深い海まで行くので、同様に遊び心のある地元のイルカたちとの出会いも楽しむことができます。

町を出て少しの場所にあるマーフィーズ・ヘイスタックス（Murphy's Haystacks）では、1,500万年以上も昔の巨大な岩々が風に削られて出来上がった、印象的な光景を見ることができます。その後、エア半島の付け根を横切ってアデレードの方向に戻りますが、途中で赤茶色のゴーラー山脈（Gawler Ranges）と輝くように白い塩田をご覧ください。

9​日目：ポート・ピリーから​アデレードへ​ 

• 所要時間：2時間半

アデレードへ戻るときはゆっくりと。1時間ほど行ったら、ロキエル（Lochiel）でコーヒー休憩です。水深の浅い塩水のバンバンガ湖はしばしば美しいピンクの色合いとなります（そして「ロッキ・イール」という名のウナギのモンスターも姿を見せます）。ポート・ウェイクフィールド（Port Wakefield）でもう一度休憩します。マングローブの遊歩道に沿って歩き、新鮮な塩辛い空気を楽しんでからアデレードに戻ってください。