マーガレット・リバーの人気ワイナリー体験
マーガレット・リバーの探検を予定していますか?では一流のワイナリーを訪ねましょう。
原文:カトリーナ・ロブリー
西オーストラリア州のマーガレット・リバー(Margaret River)地域がワイン造りを始めてからまだ50年ですが、ここのワインは世界的に高い評価を受けています。特に2種類のワイン(カベルネ・ソービニョンとシャルドネ)が、この地域がワイン通の目に留まるきっかけとなりました。優れたいくつかのワインセラーに立ち寄って、高い評価を受けている秘密を探り出しましょう。
ヴァッセ・フェリックスの始まりは?
マーガレット・リバーのワイン発祥の地から話を始めましょう。ヴァッセ・フェリックス(Vasse Felix)はこの地域で最初のブドウ園です。1967年、ドクター・トム・カリティーがこの地にブドウの木を植え、ヴァッセ・フェリックスを設立します。1972年にはこの地域で最初のカベルネ・ソービニョンを生産しました。この地の地勢と地中海性気候のおかげで、マーガレット・リバーはオーストラリア産ワインの先駆者となり、強くてしかもエレガントなカベルネ・ソービニョンと極上のシャルドネを産するようになります。この2種はヴァッセ・フェリックスの主力商品ですが、ほかにもシラーズやセミヨンとソービニョン・ブランのブレンドも生産しています。ここにはワイナリーから形を変えたアート・ギャラリーがあり、評判の高いホームズ・アコート・コレクション(Holmes à Court Collection)の作品を展示して注目を集めています。ガイドツアーに参加したり、ワインのコレクションの中からお好みのワインを選んで試飲したり、レストランでゆっくり食事をしたり、思い思いに楽しんでください。
ルーウィン・エステートで本物のアートを鑑賞する
ルーウィン・エステート(Leeuwin Estate)は、ジョン・オルセンやシドニー・ノーランなど、オーストラリアのアーティストの作品を印刷したアート・シリーズのワイン・ラベルで一躍有名になりました。ラベルに描かれた作品は、1つを除いてすべて、ワイナリーの有名なコレクションの一部です。このコレクションは、ワイナリーの敷地内にあるギャラリーに展示されています(日中のみオープン、入場無料)。エステートのワインを試飲するか、立派なユーカリの林に縁どられた牧草地を見晴らすレストランで、ランチと一緒にワインを楽しみましょう。パース南郊のジャンダコット(Jandakot)空港から1時間の遊覧飛行で、ワイナリーのプライベート滑走路に降り立つことができます。
ボイジャー・エステートで樽からワインを試飲する
ボイジャー・エステート(Voyager Estate)では、ワイン造りの舞台裏を見せてもらいます。樽から直接ワインを試飲する、オーストラリア最大の地下ワインセラーを見学する、そして最後はプライベートテイスティングを体験する、という内容です。このエステートの見どころは、美しいケープ・ダッチ建築と手入れの行き届いた庭園です。極めつけは、エレガントなレストランでとるワインが付いた6品のコースランチで、ボイジャーの歴史を表す構成になっています。
ハワード・パークで風水を体験する
ハワード・パーク(Howard Park)の超モダンなワインセラーのすぐそばには、背の高いユーカリの木々が植わっています。角度の付いた天井までの高さは9mもあり、風水の原理に沿って建てられています。このガイドラインには、構造物の木材とコンクリート、ステンレススチールの量のバランスをとることや、北向きの窓から光が入るようにすることなどが含まれます。中国人の風水専門家、チェン・ジアン・ジュン教授が、受賞歴のあるこの建物の設計に協力しました。この建物の扉は、できるだけ多くの幸運が入ってこられるように大きなものになっています。もっとも、これほど優秀なワインを生産するワイナリーに運が必要だというわけではありません。ハワード・パークは非常に飲みやすいリースリングで知られています。
ニー・ディープでランチを楽しむ
ニー・ディープ(Knee Deep)ワイナリーの超モダンなガラス張りのレストランは、緑濃い木の下に配置され、地元の人によく利用されています。現代のオーストラリア料理にアジアン・テイストを加えたメニューが人気を呼んでいるのです。毎日正午から午後3時まで、ランチのみの営業です。ロットネスト島のキハダマグロにレモンペッパー風味のフレーバーパールとライスクリスプを添えたもの、鴨の回鍋肉(ホイコーロー)とエビ春巻きなどのメニューがあります。オーナーはチャイルド一家で、チャイルド家の娘たち、ケルシー、キム、ヘイリーの名前がそれぞれ、ニー・ディープのカベルネ・ソービニョン、シャルドネ、シラーズに付けられています。
アラヴィナ・エステートでそれぞれの楽しみを見つける
パースの実業家スティーブ・トビンが2010年にアラヴィナ・エステート(Aravina Estate)を設立したときには、だれもが楽しめる体験を提供するというビジョンを持っていました。子供たちは庭で遊び、スポーツカーマニアはギャラリーに展示されているオーストラリアのマッスルカーやビンテージカーに感激するでしょう。ガーデニングの好きな人にはアジサイやバラの庭園、あるいはキッチンガーデンを散策してもらいます。ワインセラーでアラヴィナの種類が豊富なワインを試飲するか、ベランダの白い籐椅子に座ってランチをいただきましょう。
地域のパイオニア的女性に乾杯する
カレン・ワインズ(Cullen Wines)の代表者だった故ダイアナ・カレンは素晴らしい女性でした。夫が医師の仕事をしている間にダイアナはワイナリーを管理し、1981年にワインの醸造主任に就任したのです。現在はヴァーニャ・カレンが母親の跡を継いで、1989年からこのワイナリーの醸造主任を務めています。ワインセラーでヴァーニャの努力の結晶を試飲するか、そのワインを飲みながらレストランでランチを楽しみましょう。