Salamanca Arts Centre, Hobart, Tasmania © Tourism Australia/Adrian Cook
ステファニー・ウィリアムズがおすすめするホバートのショッピング
個人経営のオーダーメイドのブティックからトレンディなマーケットまで、地元のエキスパートが選ぶホバートの最高のアート、デザインそしてショッピングをご紹介します。
インタビュー:ナターシャ・ドラグン
タスマニア州の州都ホバートには、オーストラリアで最も高い評価を得ているギャラリーの一つ、ミュージアム・オブ・オールド・アンド・ニュー・アート(Museum of Old and New Art)(MONA)がありますが、その他にも、この地で急成長している地元のアートやデザインのシーンに触れることができる、クリエイティブな地区がたくさんあります。『ザ・ホバート』誌(The Hobart Magazine)の編集者であり、ポッドキャスト『デザイン・トラベル』(Design Travel)のクリエイターでもある地元のエキスパート、ステファニー・ウィリアムスが明かす、ホバートで最も注目のショッピングとスタイルのスポットをご紹介します。
活気に満ちたデザインシーンへ繰り出す
ステファニーによると、タスマニア州の州都は、オーストラリアのクリエイティブ文化のダークホースに急速になりつつあるそうです。「ホバートのアートとデザインのシーンは本当に力強いのです」
ホバートには、美しい小さなギャラリーがたくさんあり、個人で活動する作り手やアーティストがたくさんいます。
シティのウォーターフロントに位置し、歴史的な砂岩の建物が立ち並ぶサラマンカ・プレース(Salamanca Place)には、知られざる名店がたくさんあります。ここで最初に訪れるべきなのは、ジョージ王朝時代の倉庫を利用したサラマンカ・アート・センター(Salamanca Arts Centre)です。「古い穀物倉庫で、砂岩のファサードが素晴らしいのです」とステファニー。「ですから、この場所を訪れることは、アートと建築学の双方の面で興味深い経験となります」。
ここでは、最も創造的なアートの分野が紹介されています。聞いたことすらないものもあるかもしれません。サラマンカ・アート・センターのハイライトの中に、ハンドマーク・ギャラリー(Handmark Gallery)とスペースバー・ギャラリー(Spacebar Gallery)の二つがあります。両方とも、手作りのジュエリー、陶磁器、木工品、家具を取り入れた展示を通じて、タスマニアのアート、工芸品、デザインにスポットライトを当てています。スペースバーでは、ホバートのデザイナー、ロレナ・カベサスによるミナ(Mina)のような地元のファッションブランドの商品も取り扱っています。
ホバートのデザインシーンには、北欧デザインに原生地域を融合させたような美しさがあります。
おすすめの時期
毎年1月に開催される音楽と芸術の祭典モナ・フォマ(Mona Foma)に合わせて訪れるのはいかがでしょう。
「ここのファッションに関しては、生地や質感、プリントには本当の素朴さがあり、機能的なカットや耐久性も備わっていると言えます。きっと気候のせいでしょう」(タスマニア州は南に位置しているため、一般的にオーストラリアの他の地域よりも気温が低いのです)。また「自分のワードローブを最大限に活用することを重視する傾向があります」とステファニーは言います。
サラマンカ・アート・センターのザ・メーカー(The Maker)も見逃せません。「すべて地元でデザイン・縫製された自社の服飾ブランド、LJ ストゥルーザーズ(LJ Struthers)を含む、国内外の厳選商品を揃えています」。
シティで知られざる逸品を探す
粗削りな草の根のクリエイティブシーンを愛する人なら、ホバートの街の中心部を訪れて失望することはないでしょう。シティの中心部にあるバイデンコープス・レーン(Bidencopes Lane)は、タスマニア州のアーティストによる落書きの壁画で埋め尽くされた、絶えず進化を続ける街並みです。
この路地には、ホームルーム・デザイン(Homeroom Design)などのスタイリッシュな店舗もあります。ホームルーム・デザインでは、地元オーストラリアのデザイナーや注文生産をする海外デザイナーの手による、一品物の家庭用品や洋服、ジュエリーが手に入ります。
また、シティ中心部には、エシカルでサスティナブルなファッションの専門店スポッテッド・クォル・スタジオ(Spotted Quoll Studio)があり、環境に関心のある旅行者の目を楽しませています。メンズ、レディース、キッズ衣料のセレクションとともに、同店独自の製品も陳列されています。「この店では、タスマニア州内で撮影した写真の美しいスクリーン・プリントも販売しています」と、ステファニーは話します。スタイリッシュな子供服ならリリー・アンド・ドット(Lily & Dot)を訪れてみてはいかがでしょう。「子供のための多彩な手作り服が並んでいて、訪れるだけで魅了される」空間です。
ボヘミアンなマーケットの屋台を見て回る
ここでちょっとアドバイス
サラマンカ・マーケット(Salamanca Market)のシグネット・ウッドファイアード・ベイクハウス(Cygnet Woodfired Bakehouse)では、作りたてのパンやペストリーを楽しめます。
「この街ではマーケットの文化も魅力的です」とステファニーは言います。彼女がトップに選ぶマーケットはサラマンカ・マーケットです。毎週土曜日にサラマンカ・プレースで開催されるこのマーケットには、国内トップレベルのデザイナーやアーティスト、商店が集まり、地元で作られた服飾品や革製品、手作りの陶器、写真、この島で蒸留されたジンなど、ありとあらゆるものを売っています。地元ファッションブランドのケシェット(Keshet)は、このマーケットからスタートしたのですが、現在もまだ出店を続けています。
ステファニーは、ホバートの中心部から南西に車で30分行ったところにある、ヒューオン・バレー(Huon Valley)のウィリー・スミスズ・アーティザン・アンド・プロデュース・マーケット(Willie Smith’s Artisan and Produce Market)にも立ち寄るようにとすすめています。「ウィリー・スミスズ・アップル・シェッド(Willie Smith’s Apple Shed)で行われている、とても小さいながらも厳選された、作り手のマーケットです。マーケットを散策した後は、オーガニックのアップルサイダーを試飲してください」。
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ホバートの最高のレストラン
かわいい田舎町を歩き回る
小さな町ニュー・ノーフォーク(New Norfolk)は、ホバートの中心部から北西に車でわずか30分のところにあります。
アグラリアン・キッチン・クッキング・スクール & イータリー(Agrarian Kitchen Cooking School and Eatery)はニュー・ノーフォークにおける重要な存在です。
村の周りにある個人経営の店を1日かけて回るのもいいでしょう。「フライウィール(Flywheel)は美しい文房具や昔ながらの凸板印刷を施した製品を取り揃えており、ミス・アーサー(Miss Arthur)は世界中から集めた手作りの家庭用品を販売しています。また、ザ・ドリル・ホール・エンポリアム(The Drill Hall Emporium)では、専門家が厳選したタスマニアの骨董品を販売しています」。さらに「近くの ウィロー・コート(Willow Court)アンティークセンターも素晴らしいですよ」とステファニーは話します。