アリス・スプリングス周辺の日帰り旅行
アリス・スプリングスは、レッドセンターを探索する拠点として理想的です。
空路でアリス・スプリングス(Alice Springs)に入ると、別の惑星に来たように感じられるかもしれません。周囲には広大な赤土の大地が広がり、町全体がまるで空から落ちてきたかのように見えるのです。アリス・スプリングスはレッド・センター(Red Centre)唯一の都市で、周囲に広がる素晴らしい景勝地を探索する拠点として便利な場所にあります。砂漠や太古の時代に生まれた山脈(そのあちこちに切り立った岩に囲まれた渓谷や隠れた水場があります)、何万年も昔の聖地、先住民アボリジニの現代にも通じるアートシーンなどを見て回りましょう。ここはオーストラリアのアウトバックでも特に魅力的なところなので、数日間滞在してその魅力を存分にお楽しみください。
ここでは、アリス・スプリングス周辺の人気アクティビティをいくつかご紹介します。
アリス・スプリングス・デザート・パーク
オーストラリアの中央にある砂漠が「生命のない」世界だという固定観念は、アリス・スプリングス郊外のデザート・パーク(Desert Park)に行けば吹き飛んでしまいます。一部は野生動物保護区に、一部は植物園になっているこの素晴らしい公園では、砂漠の環境(砂地、林、川)が細心の注意を払って再現され、さまざまな動植物が生息しています。カンガルーを間近に見たり、猛禽類が自由に飛び回るのを観察したりできます。また、広大な飼育場の中を歩けば、ヘビや、普通は日没後にしか姿を見せない動物を見ることができます。繊細な砂漠のワイルドフラワーにはきっと驚くでしょう。先住民アボリジニの人々が砂漠の中でどのようにして食料や薬草を見つけたか、これらの植物が乾燥した環境にいかに巧みに適応していったかを知ることもできます。日没後には、ガイド付きの夜のツアーに参加して、希少動物や絶滅危惧種をスポットライトの光で観察しましょう。
カンガルー・サンクチュアリ
カンガルーの子はジョーイ(joey)と呼ばれます。クリス・バーンズ(人気のテレビシリーズ『カンガルー・ダンディー(Kangaroo Dundee)』の主役で別名「ブロルガ」)が面倒を見ている愛らしい孤児のジョーイを一目見れば、夢中にならずにはいられないでしょう。クリス・バーンズ氏が開設したカンガルー・サンクチュアリ(Kangaroo Sanctuary)はアリス・スプリングスから車で20分ほどのところにあり、火曜日から金曜日までの夕方、ツアー客に公開されています。アリス・スプリングスからの送迎バスも含めて2時間半のツアーでは、レッドセンターに多い美しいアカ・カンガルーに出会うチャンスがあるでしょう。その中には赤ちゃん連れのカンガルーがいるかもしれません。撮影スケジュールにもよりますが、カンガルー・ダンディーその人に会える可能性もあります。
砂漠のアート・トレイル
アリス・スプリングスのアートギャラリーを訪ねて、先住民アボリジニの魅惑的なアートの世界を鑑賞しましょう。最初に行くのは、町はずれにあるアラルーアン・アーツ・センター(Araluen Arts Centre)です。ここには、セントラル・オーストラリアのアボリジニ・アートを鑑賞できるギャラリーがいくつかあるほか、著名なアーティスト、アルバート・ナマジラの作品を集めた国内最大のコレクションもあります。また、毎年9月と10月にはデザート・モブ・エキシビション(Desert Mob exhibition)が開催され、ノーザンテリトリー、南オーストラリア州、西オーストラリア州の砂漠地帯に点在するコミュニティーで制作された作品が展示されます。ウィルキンソン・ストリート(Wilkinson Street)にあるジャンピ・デザート・ウィーバーズ(Tjanpi Desert Weavers)は、26の辺境コミュニティー出身の女性アーティスト400人以上の集団で、植物の種や鳥の羽で飾った美しいバスケット、イヌや砂漠の動物の個性的な彫刻を作っています。フォガーティ・ストリート(Fogarty Street)16番地のタンジャンティーラ・アーティスツ(Tangentyere Artists)でも、個性的な彫刻や、美しい布地、ブランケット、ジュエリーが制作されています。すべ手作りで、金属や木材、廃棄物など、身近にあるものの再利用です。アリス・スプリングスの歩行者専用ショッピング街トッド・モール(Todd Mall)では、パプニャ・トゥーラ・アーティスツ(Papunya Tula Artists)やムバンチュア・ギャラリー(Mbantua Gallery)(ここには先住民アボリジニの文化を紹介する小規模な博物館が併設されています)で、美しく彩色されたキャンバス地を旅の記念に買い求めるのもおすすめです。
エミリー・ギャップ
アリス・スプリングス周辺の地域は、イェペレンイェ(Yeperenye)とも呼ばれるキャタピラー・ドリーミング(Caterpillar Dreaming)による天地創造の物語の舞台とされています。その言い伝えによると、敵の毒虫との戦いで命を落としたキャタピラー(イモムシ)の死骸が積み重なってマクドネル山脈が生まれたということです。山脈の裂け目はイモムシの頭部が噛みちぎられたときにできたとされ、アリス・スプリングスの南側の入口もその1つです。町の周囲には神聖な場所がいくつかありますが、最も印象的なのが、ロス・ハイウェイ(Ross Highway)を町から東に10km行ったところにあるエミリー・ギャップ(Emily Gap)の岩壁に描かれたイモムシの岩絵です。ここには車または自転車で行くことができますが、ツアーに参加することもできます。
シンプソンズ・ギャップ
砂漠の真ん中で、自然にできた飛び込みプールのような深い水場に浮かんでリフレッシュすることは、オーストラリアのアウトバックを旅する醍醐味の1つであり、砂漠の中を自転車で走り抜けてきた後の火照った体を冷やす最高の方法でもあります。アリス・スプリングスからララピンタ・ドライブ(Larapinta Drive)を18km走るだけで、シンプソンズ・ギャップ(Simpsons Gap)に到着します。壮大なこの峡谷の底は水場になっていて、その水は涸れることがありません。車でも行けますが、おすすめは自転車です。舗装された自転車専用のシンプソンズ・ギャップ・バイク・パス(Simpsons Gap Bike Path)を走りましょう。その方がずっと楽しいですよ。時間があれば、シンプソンズ・ギャップから続くララピンタ・トレイル(Larapinta Trail)を少し歩いてみることもできます。
ウルル ー カタ・ジュタ国立公園
アリス・スプリングスは、オーストラリアの都市の中ではウルル ー カタ・ジュタ国立公園(Uluru-Kata Tjuta National Park)に最も近いところに位置していますが、だからといって簡単に行けるというわけではありません。ここからでも少なくとも5時間は車に揺られる必要があるので、日帰り旅行をお望みならヘリコプターの利用をおすすめします。距離はありますが、ウルル ー カタ・ジュタ国立公園への旅は忘れられない文化的体験となり、後々まで長く記憶に残ることは間違いありません。魅力的なツアーに参加して、日の出や日没時にウルルを照らす自然の神秘に息をのむ、フィールド・オブ・ライト(Field of Light)のインスタレーションを見る、カタ・ジュタ(オルガ(The Olgas))のそびえたつ岩のドーム周辺をハイキングする、などさまざまな楽しみがあります。もう少し長く滞在したいなら、エアーズ・ロック空港(Ayers Rock Airport)に飛んでエアーズ・ロック・リゾート(Ayers Rock Resort)に2~3泊するのがおすすめです。いくつもの素晴らしい体験が用意されています。