
ギブ・リバー・ロード:アドベンチャー12日間
ギブ・リバー・ロード:アドベンチャー12日間
オーストラリア屈指の4WDアドベンチャー・ルート「ザ・ギブ」(the Gibb)では、古代から残る峡谷、本格的な牧場、手つかずの原生地域があなたを待っています。
旅の概要
大切な注意事項:
- トラックの開通期間は4月から10月までとなります。
- 国立公園パス(National Park Pass)や、その他ルートに関する許可証の購入が必要になります。
- 燃料補給の機会は限られているため、停車ポイントを入念に確認し、予備の燃料をご用意ください。
1日目:ブルームからダービーへ
ギブ・リバー・ロード(Gibb River Road)で最初に訪れるのは、キンバリー(Kimberley)地域で最初に開拓された歴史あるアウトバックの町、ダービーです。
ダービーの文化的見どころを巡る
ピジョン・ヘリテージ・トレイル(Pigeon Heritage Trail)を自由に散策して、ダービーの街の豊かな歴史や、樹齢1,500年のボアブ・プリズン・ツリー(Boab Prison Tree)など、アボリジナルピープルの重要な遺跡を訪れましょう。地図は、ダービーのビジター・インフォメーション・センター(Visitor Information Centre)で手に入ります。
ダービー桟橋で夕日を眺める
夕暮れ時、馬蹄形をしたダービー桟橋(Derby Jetty)を散歩して、空が美しい赤とオレンジ色に染まっていく様子を眺めましょう。南半球最大の干満差は最大12mにもなるため、圧倒的な迫力のある潮の満ち引きを目撃できます。
上空からホリゾンタル・フォールズを眺める
博物学者デビッド・アッテンボロー(David Attenborough)が「世界の最も偉大な驚異のひとつ」と呼んだ景観を空から見てみましょう。ホリゾンタル・ウォーターフォールズ(Horizontal Waterfalls)と、岩だらけの1,000の島々から成るバッカニア群島(Buccaneer Archipelago)の上空を飛ぶ半日の遊覧飛行は、言語を絶する感動をもたらしてくれるでしょう。
アボリジナル文化に浸る
ウォロラ族(Worrorra)、ガリニン族(Ngarinyin)、およびウヌンバル(Wunumbal)族が創り出すクリエイティブな空間、ダービーのモワンジャム・アボリジナル・アート&カルチャー・センター(Mowanjum Aboriginal Art and Culture Centre)で、複雑なアート作品やアボリジナル文化に関する重要なコレクションを鑑賞し、魅力的なストーリー・テリングに耳を傾けましょう。
2日目:ダービーからウィンジャナ・ゴージ国立公園へ
この日の目的地は、3億7,500万年前のデボン紀にできたサンゴ礁群の一部であるバンディルンガン(ウィンジャナ・ゴージ)国立公園(Bandilngan (Windjana Gorge) National Park)です。淡水池とそこに生息する野生動物、壮大な自然美を堪能できます。
ウィンジャナ・ゴージを徒歩で探検
全長1.9kmの渓谷ウォーク・トレイル(Gorge Walk Trail)を歩いて、高さ300mの壁がそそり立つ渓谷一帯で繰り広げられる自然のドラマを目撃しましょう。オオコウモリ、イリエワニ、水に洗われた石灰岩に埋もれている海洋生物の化石をご覧ください。
いにしえの洞窟を探検する
西オーストラリア州最古の洞窟群トンネル・クリーク(ディマルル)で、内なる冒険心を解き放ちましょう。全長750mのトレッキングで淡水のプールを歩いて渡り、岩場を上って、鍾乳石や石筍、石灰岩礁に驚嘆しましょう。
ウィンジャナ・ゴージの間近にテントを張る
ウィンジャナ・ゴージ・キャンプグラウンド(Windjana Gorge Campground)で一泊します。アウトバックの漆黒の夜空の下で眠りにつきましょう。目覚めれば、野生のイチジク、カユプテ、マルバハナダマといった木々に縁取られた渓谷の黄褐色の崖が、壮大な姿で眼前に迫ります。
3日目:ウィンジャナ・ゴージ国立公園からベル・ゴージへ
美しい水場、壮大な岩の絶壁、轟音とどろく滝が点在するウナーミン・ミリウンディ・レンジズ自然保護公園(Wunaamin Miliwundi Ranges Conservation Park)に出かけましょう。
地元の人たちとつながる
イミンジ・アート・センター(Imintji Art Centre)で、この地に済むアボリジナル・ピープル、イミンジ(Imintji)族の人々と時間を過ごしましょう。現地の文化に親しみ、ハンド・ペインティングに挑戦したり、本物のアート作品を購入したり、物語を聞いたり、イミンジ・ロードハウス・カフェ(Imintji Roadhouse café)で食事もできます。
ベル・ゴージの穏やかな水辺に遊ぶ
絵画のように美しいベル・ゴージ(Bell Gorge)で一日過ごすなら、水着をどうぞお忘れなく。何百万年も経た太古の崖から流れ落ちる、落差100mの壮大な滝が見ものです。深い滝つぼが作ったプールは、泳ぐのに最適です。
川辺のサファリテントに宿泊
マウント・ハート・ロッジ(Mount Hart Lodge)で、旅の疲れを癒しましょう。木陰の岸辺でキャンプするもよし、バス・トイレ付きの豪華なグランピングテントでくつろぐもよし、ホームステッドの居心地よい部屋を予約するのもよいでしょう。ピッパズ・コーナー(Pippa’s Corner)レストランで、地元の味を満喫してください。
4日目:ベル・ゴージからマニング・ゴージへ
ギブ・リバー・ロードに点在する穏やかな水辺で、ひんやりした水に身を浸して一日のんびり過ごしましょう。
天国のようなガルバンズ・ゴージを散策する
ギブ・リバー・ロード沿いで最もアクセスしやすい、ガルバンズ・ゴージ(Galvans Gorge)に寄り道してみましょう。花崗岩の露頭と緑豊かな植生に囲まれた天然のプールでひと泳ぎしたり、何層にもなって流れ落ちる滝の下でリフレッシュしたり、太古のワンジナ(精霊)の岩絵を眺めたりして、しばしの小休止を楽しみます。
マニング・ゴージの透き通った水辺で泳ぎを楽しむ
6kmハイキングした先には、轟く滝から流れ込む透明な水を白い砂浜が美しく縁どるマニング・ゴージ(Manning Gorge)が待っています。一時停止ボタンを押して、周囲を見渡し、天然のプールで泳いでクールダウンしましょう。
マニング・ゴージ・キャンプグラウンドに滞在する
マニング・ゴージ・キャンプグラウンドに戻ったら、古代から残るバオバブの木の下でテントを張るか、キャンピングカーを停めましょう。予約は不要ですが、場所を確保するにはマウント・バーネット・ロードハウス(Mt Barnett Roadhouse)で料金を先払いする必要があります。
5日目:マニング・ゴージからドライズデール・リバー・ロードハウスへ
美しく生物多様性に富んだミッチェル・リバー国立公園(Mitchell River National Park)への玄関口、ドライズデール・リバー・ステーション(Drysdale River Station)を目指します。
マウント・エリザベス・ステーションを訪ねる
アウトバックの本格的な大牧場マウント・エリザベス・ステーション(Mt Elizabeth Station)から、ウナムラ・ゴージ(Wunnamurra Gorge)とワール・ゴージ(Warlu Gorge)に向かいます。ここでは、街の喧騒とは無縁の荒々しい風景を探索し、本物のオーストラリアの牧場での生活を体験できます。
アドコック・ゴージで孤独にふける
周囲を取り巻く木生シダやそそり立つ崖がエメラルドグリーンの水面に映り、永遠すら感じさせるアドコック・ゴージ(Adcock Gorge)の景観を堪能してください。まだそれほど知られていない神秘的な場所でたった一人になったとしても、どうか驚かないで。
牧場でキャンプする
この日は家族経営のドライズデール・リバー・ロードハウス(Drysdale River Roadhouse)に宿泊します。キャビンスタイルの宿泊施設か、牧場の広大な敷地内にあるキャンプ場を選んだら、ビアガーデンの冷たい飲み物とハンバーガーで一服しましょう。
6日目:ミッチェル・リバー国立公園
この日は、国内でも屈指の壮大な滝を擁する、広大なミッチェル・リバー国立公園の中心部を目指します。
壮大なヘリコプター・ツアーとハイキングを楽しむ
ミッチェル・リバー国立公園でヘリコプター・ツアーとトレッキングの一日を満喫しましょう。目を見張るような滝のそばで目覚めたら、アボリジナル・ガイドの案内で太古に描かれた岩絵を目指してハイキングした後、リトル・マートン・フォールズ(Little Merten Falls)の美しい景観のなかで泳ぎを楽しみます。
ミッチェル・リバー国立公園を上空から眺める
ドライズデール・リバー・ステーションを出発する遊覧飛行(5月~8月)で、キンバリーに生息する哺乳類と鳥類の固有種半数以上が生息する楽園、プリンス・リージェント・リバー(Prince Regent River)の上空をめぐり、ミッチェル・フォールズ(Mitchell Falls)の壮大な姿を空から眺めましょう。
ミッチェル・プラトーでの滞在を延長する
時間に余裕があれば、ミッチェル・プラトー(Mitchell Plateau)へ足を延ばし、ミッチェル・フォールズ・ウィルダネス・ロッジ(Mitchell Falls Wilderness Lodge)またはキャンプ場に宿泊しましょう。ブッシュウォーキングに出かけたり、4段になった滝つぼのプールで泳いだり、約6万年前に描かれたと言われているギョルン・ギョルンの岩絵(Gyorn Gyorn Paintings)を見たり、楽しみどころが満載です。
7日目:ドライズデール・リバー・ステーションからホーム・バレー・ステーションへ
もう数泊滞在しましょう。ホーム・バレー・ステーション(Home Valley Station)は、アウトバックにできた遊び場のような場所で、そびえ立つ峡谷、輝く滝とビラボン(氾濫原)の織りなす風景が楽しめます。
太古から続くキンバリーの原生地域を探索する
ホーム・バレー・ステーションの雄大なバックヤードを歩いてみましょう。7つあるガイド付きウォーキング・トレイルのどれかに足を延ばせば、サバンナの森林、砂岩の絶壁、水場が楽しめます。野鳥や、ちょっと変わったクロコダイルを探してみてください。
コックバーン・レンジの彼方に沈む夕日を眺める
少人数のサンセットツアーに参加して、ドリンクとおつまみを楽しみながら、約120万ヘクタールにも及ぶ広大なアウトバックのオアシスの夕暮れの光の移ろいを眺めましょう。コックバーン・レンジ(Cockburn Range)の稜線が、輝かしい赤から濃い紫へと色を変えてゆきます。
きらめく星空に学ぶ
星空観察ツアーに参加して、アウトバックできらめく明るい星々を堪能しましょう。人工灯火がほとんどないので、最先端の望遠鏡と現地の天文ガイドの助けを借りれば、宇宙の下で忘れられない夜を過ごせるでしょう。
8日目:ホーム・バレー・ステーション
アボリジナルピープルの精神と文化が息づく土地、コックバーン・レンジに広がる心揺さぶるような絶景を味わいましょう。
現地ツアーに出発
ホーム・バレー・ツアー(Home Valley Tour)に参加し、ビンドーラ・フォールズ(Bindoola Falls)、コックバーン・ルックアウト(Cockburn Lookout)、ビンドーラ・クリーク(Bindoola Creek)の広々とした眺望など、牧場のなかにある名所を探索し、この土地の文化的歴史について学んで朝のひと時を過ごしましょう。
バラマンディを釣る
ペンテコスト・リバー(Pentecost River)は、有数のバラマンディ釣りスポットとして知られています。運試しに釣り竿を振るもよし、地元のガイドと探索ツアーに出るもよいでしょう。ホーム・バレー・ステーションに戻ったら、釣った魚をシェフに料理してもらいましょう。
炎を囲んでくつろぐ
ホーム・バレー・ステーションにあるオージー・スタイルのアウトバックのパブで食事を取ったらキャンプファイヤーへ。澄み渡った星空を眺めて、冒険仲間とのおしゃべりに花を咲かせましょう。これこそまさに、オージースタイルのアウトバックです。
9日目:ホーム・バレー・ステーションからエル・クエストロ・ウィルダネス・パークへ
多種多様な固有動物や鳥、魚が生息する楽園、ペンテコスト・リバーを渡り、キンバリーの東端に広がるエル・クエストロ・ウィルダネス・パーク(El Questro Wilderness Park)を目指しましょう。
ラグジュアリーロッジに宿泊する
チェンバレン・ゴージ(Chamberlain Gorge)を見下ろす、濃いオレンジ色のクリフトップに建つ大人専用のエル・クエストロ・ホームステッド(El Questro Homestead)にチェックイン。プライベートデッキと美しいバスタブを備えたシックなスイートルームでくつろぎましょう。
サンセット・クルーズに出発
約40万ヘクタールの広大さを誇るエル・クエストロ・ウィルダネス・パークは、キンバリー地域の未開の奥地にまで及びます。この地を始めて訪れるなら、チェンバレン・ゴージの波打つ水面をゆっくり進むサンセット・クルーズがお勧めです。
カントリーとつながる
インジード・マルラブ・コールズ・アス・ツアー(Injiid Marlabu Calls Us tour)に参加して、ガリニン族(Ngarinyin)族の人々の文化に触れます。いにしえの癒しの儀式を見学し、世代を超えて語り継がれる物語に耳を傾け、地元に暮らす先住民の人々の歴史や伝統、言語に関する知識を深めましょう。
10日目:エル・クエストロ・ウィルダネス・パーク
この日は、静寂に包まれた温泉から、悠久の時を刻む渓谷、ワイルドな川渡りまで、公園の自然美を満喫しましょう。
天然の温泉でリラックス
一日の始まりは、ゼベディー・スプリングス(Zebedee Springs)の天然温泉プールにつかってリラックスしましょう。ビロウヤシ(Livistona)とパンダナスのヤシが生い茂る悠久の森を抜ける、1.5kmのコースをゆったり歩いた先には、隠れたオアシスが待っています。
エマ・ゴージをガイドと一緒に探索する
地域で最も立ち寄りやすい天然のプールの一つ、エマ・ゴージ(Emma Gorge)のひんやりした水辺で、パワーを充填しましょう。豊かな緑に囲まれた、高さ65mのテラコッタ色の崖から下のプールへと流れ落ちる滝の近くを泳いでみましょう。
息を呑むほどの美しい風景を空から眺める
キンバリーには地球上で最も素晴らしいと言える景観がいくつもあり、上空から眺めた様子はまさに驚嘆に値します。ヘリコプター遊覧飛行で、キンバリーの壮大な滝や岩石層、広大な大地の上空を飛びましょう。
11日目:エル・クエストロ・ウィルダネス・パークからカナナラへ
ギブ・リバー・ロードの旅の最終区間を進むと、壮大なレイク・アーガイル(Lake Argyle)を擁する街、カナナラ(Kununurra)にたどり着きます。
レイク・アーガイルを船で行く
レイク・アーガイルに向かい、午後のクルーズで南半球最大の人工湖の水辺と小さな島々を探索しましょう。岸辺で昼寝をする淡水ワニたちの姿は必見です。
ミニ・バングル・バングルを探索する
ミリマ国立公園(Mirima National Park)にある3億5千万年前の岩石層の姿は、世界遺産に登録されたバングル・バングル山脈によく似ています。荒々しい山脈やサバンナの森をハイキングして、カナナラの隠れた名所を発見しましょう。
夕日を眺めながらアボリジナル文化に触れる
ワリンガリ・アボリジナル・アーツ(Waringarri Aboriginal Arts)のサンセットツアーを予約して、アボリジナル文化に浸る、記憶に残る夕べをお過ごしください。夕暮れ時にこだまするディジュリドゥの音色に鳥肌が立つような感動を味わい、焼きたてのダンパー(手作りパン)を味わい、ドリームタイムの物語に耳を傾け、物語を題材にしたアート作品を鑑賞しましょう。
12日目:カナナラとパヌルル
カナナラとその周辺で、世界遺産に登録されたパヌルル国立公園(Purnululu National Park)にある、世界で最も不思議な地形の一つ、蜂の巣にも似たバングル・バングル・レンジ(Bungle Bungle Range)などを探索してみましょう。
バングル・バングルを上空から見下ろす
人生で一二を争うレベルの驚きが待っている、ヘリコプター遊覧飛行へお出かけください。上空から見たバングル・バングル・レンジ、そのオレンジ色と黒の縞模様に彩られた岩石層の眺めは、きっと忘れられないものになるでしょう。
幻想的なカテドラル・ゴージまでハイキング
パヌルルの上空からの眺めは格別ですが、蜂の巣状の岩石層は、地上からしか近寄ることのできない不思議を内に秘めています。ドームを通る2kmのジグザグ・ルートを抜けると、素晴らしい音響効果で有名な、太古から続く天然の円形劇場カテドラル・ゴージ(Cathedral Gorge)が待っています。
壮大なサバンナ・ウェイの旅を続ける
ギブ・リバー・ロードは、より壮大なサバンナ・ウェイ(Savannah Way)ドライブ旅行のほんの一部を占めるにすぎません。この先の区間に挑戦する準備ができたら、キープ・リバー(Keep River)からローン・ヒル(Lawn Hill)までノーザンテリトリー(Northern Territory)を走り抜け、クイーンズランド州(Queensland)の海岸まで旅を続けましょう。