南オーストラリア州、カンガルー島、サザン・オーシャン・ロッジ © South Australian Tourism Commission
南オーストラリア州、カンガルー島、サザン・オーシャン・ロッジ © South Australian Tourism Commission
オーストラリアでぜひ利用したいサステナブルな宿泊施設
オーストラリアでは、ワールドクラスのサステナビリティが実践されている宿泊施設を、アウトバックや都市部、山岳地帯、海岸周辺などさまざまな場所で利用できます。
タスマニア州のキング島(King Island)の草深い砂の丘の中にひっそり佇む、オフグリッドのラグジュアリーなキタワ・ロッジからは、見渡す限りの海岸の景色が楽しめます。ここは太陽光発電、敷地内での集水、高度な廃棄物管理により、島の自然美を保つように配慮して作られた1ベッドルームのロッジです。床から天井までの窓、力強い海の音、よちよち歩く好奇心旺盛な野生動物たちの姿などを通して、自然と一体になるのを感じてください。
ブリスベンの南、約2時間の位置にあるバイロン・ベイ(Byron Bay)から内陸へ向かうと、緑豊かな丘陵地帯に佇むブラックバード(Blackbird)が見えてきます。ここのゲスト用パビリオンはわずか3棟で、静寂に包まれた空間となっています。雨水と太陽光発電を利用する各パビリオンからは、雨林の広大な景色を一望できます。共同のエリアは、大部分が再利用の材料で作られており、塩化マグネシウムを使用したプールに面しています。日中は、雨林や滝を探検したり、ムルンビンビー(Mullumbimby)の町まで足を延ばしてカフェやマーケットを訪れたりして過ごしましょう。
ロード・ハウ島(Lord Howe Island)はその手つかずの自然によって世界遺産に登録されています。ゴワー山(Mount Gower)の麓のビーチを見下ろす高台に建つカペラ・ロッジ(Capella Lodge)は、島の雄大な自然の景観を守るために設計されたラグジュアリーロッジで、太陽光発電システムを採用しており、余剰電力を島の電力網に供給しています。雑草駆除などの保全活動に参加したり、イアン・ハットン氏(ロード・ハウ在住のナチュラリスト)のツアーに参加して、島の生態系や、毎年島に渡ってくる海鳥の群れについて学んだりするのもおすすめです。
カンガルー島(Kangaroo Island)のドラマチックな海岸線沿いに伸びている、オフグリッドのサザン・オーシャン・ロッジ(Southern Ocean Lodge)は、サステナブルであると同時にラグジュアリーな宿泊施設です。太陽光発電と電池の賢い組み合わせにより、この施設の水と電力のニーズが持続的な方法で賄われる一方で、ロッジでの体験は、地元のベンダーを中心とした地域社会との連携を強化したものとなっています。スイートルームの床から天井までの窓の外に広がる海岸の景色を楽しみ、最高級の地元食材に舌鼓を打ち、この島の豊かな野生動物、素晴らしい景観、美食を目いっぱい体験してください。
ビクトリア州の沿岸にある壮大なグレート・オーシャン・ロード(Great Ocean Road)(起点はメルボルンから車で約2時間)沿いの、見晴らしの良い断崖の上に、アルキナ・ロッジ(Alkina Lodge)はあります。海に面した3棟のゲストロッジは、グレン・マーカットとウェンディ・ルーウィン(オーストラリアの有名な建築家)によって設計されました。パッシブ・ソーラー設計の一環として設けられた「スカイ・ウィンドウ」からは自然光が入ります(星空を眺めるのにも最適)。大自然の中で思いっきり遊んだり、ピクニックランチや素晴らしいバスタブでの入浴、地元の醸造所のビールを試飲したりして、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
ナイトフォール(Nightfall)は小規模なテント式宿泊施設で、ラミントン国立公園(Lamington National Park)に隣接する雨林の奥深くにあります。エコツーリズム・オーストラリア(Ecotourism Australia)の認証を受けたこの森林保護区には、手造りの常設サファリテントのグランピング用宿泊施設があります。泊まれるのは一度に4組だけです。呼び交わす鳥の声を聞いてくつろげるように、各テントにはそれぞれ暖炉とツインのバスタブが備え付けられています。この宿泊施設では、動物たちの生息地がそのままに保たれているので、ワラビーや鼻の長いバンディクート、時にはコアラにも遭遇できるかもしれません。
西オーストラリア州のキンバリー海岸(Kimberley coast)沿いにあるファラウェイ・ベイ(Faraway Bay)の原生地域にある隠れ家風の宿泊施設では、この素晴らしい景観を大切に守ることを目指しています。そのために、重力式給水、太陽光発電、砂防プログラムを取り入れています。ファラウェイ・ベイでは、排出量を抑えるため、ターコイズ色のティモール海(Timor Sea)を見下ろす自然のブッシュの中にわずか8棟のキャビンがあるだけです。一方周囲には古代から変わらない手つかずの景観が広がり、キンバリーに固有の動植物が隠れるようにひっそりと生息しています。アウトバックの美しさを、何の痕跡も残さない観光ツアーで体験してください。
かつては牧羊場として使われていたアルカバ(Arkaba)は、南オーストラリア州のフリンダース山脈(Flinders Ranges)の、24,000ヘクタールに及ぶアウトバックに囲まれています。この歴史的な土地が、野生動物保護区として生まれ変わり、大地と動物の棲み処を再生する取り組みを続けています。ワイルドライフ・サファリ・ドライブ(wildlife safari drive)に参加し、アボリジナルピープルであるアドニャマタンハ族の長老(Elder)と一緒に散策しながら話を聞き、この土地の文化遺産についての理解を深め、オーストラリアのアウトバックに浸りましょう。
テント形式のロッジであるサル・サリス(Sal Salis)の主な見どころは、世界遺産として登録されているニンガルー海洋公園(Ningaloo Marine Park)と、原生地域に建つラグジュアリーな宿泊施設です。ケープ・レンジ国立公園(Cape Range National Park)の砂丘のなかで、サル・サリスは環境への負荷を最小限に抑えるために、太陽光発電から厳格な水使用制限まで、できる限りの取り組みを行っています。サル・サリスにある16のテントは、ニンガルーリーフ(Ningaloo Reef)の海を見下ろす位置に設置されています。この海での究極の体験は、ジンベエザメと一緒に泳ぐことです。このリーフでの観光事業は世界でも最も環境に優しく持続可能なもののひとつですので、どうぞ安心して楽しんでください。
バムル・プレインズ(Bamurru Plains)は、カカドゥ国立公園(Kakadu National Park)の端の湿地の中にある原生地域に位置しています。デリケートな場所にあるため、このロッジは再生可能エネルギー資源と、環境に配慮したゲストプログラムに依存しています。野生動物が多くいるメアリー・リバー(Mary River)の氾濫原に面して建つ10棟の高架テントは、それぞれ、三方がメッシュの壁になっていて、原生林とパンダナス(タコノキ)が陰を作っています。湿地帯を高速で航送するエアボート・サファリ(airboat safari)に乗り、鳥が飛び立つ様子や、クロコダイルがゆっくりと泳ぐ様子を眺める、究極にエキサイティングな体験はいかがでしょう。