Cappuccino Strip, Fremantle, Western Australia © Tourism Western Australia
エリザベス・クラークがおすすめするパースのショッピング
絶え間ない驚きと革新に満ちたパースのスタイルシーンを、地元の業界エキスパート一緒に巡ってみましょう。
インタビュー:ナターシャ・ドラグン
ファッション編集者であり、『ザ・ウエスト・オーストラリアン』紙(The West Australian)のコラムニスト、エリザベス・クラークは、11年以上、パースを拠点として活動しています。その間、彼女は数えきれないほどのショーのランウェイを最前列から見つめ、覚えきれないほど多くのファッションデザイナーにインタビューし、街中の最先端のブティックで買い物をしてきました。彼女がこの街のスタイルシーンに精通しているのは間違いありません。そのエリザベスが、西オーストラリア州の州都を形作っているエキサイティングなクリエイティブたちや、旅行中に訪れるべきショッピングエリアを紹介してくれました。
まずはここから:パース中心部
シティ中心部のキング・ストリート(King Street)は、美しい歴史的建造物が立ち並び、まるで映画のセットのよう。そこはまた、シャネルやグッチのような国際的ファッションブランドの本拠地でもあります
キング・ストリートのすぐ近くには、レイン・スクエア(Raine Square)があります。ここは、活気に満ちたショッピングとダイニングの地区ですが、エリザベスによれば「最近ルイ・ヴィトンとティファニー・アンド・カンパニーが進出したため、高級品を求める人に人気の場所となっている」とのこと。
国内のファッションブランドに関しては、「パースにはスタイルを革新する人たちがたくさんいる」、というのが彼女の意見です。「パースのファッション業界は、東海岸よりも小規模ですが、多様性に溢れ、活気があり、革新的です」とエリザベスは言います。
ここは、アーティストを支援し、新進デザイナーのためのインフラを提供する創造的な街なのです。
ここでちょっとアドバイス
「シティの中心エリアのノースブリッジ(Northbridge)地区は、少々革新的なファッションと素晴らしいビンテージを求める人に大変人気がある場所です」と、エリザベスは言います。
「モリソン(Morrison)、フランネル(Flannel)、ワン・フェル・スウープ(One Fell Swoop)は、地元ファッションの成功事例ですが、今でもビジョンに忠実に前進を続けています。また、トリッシュ・バイゴットが経営するブケシュラ(Bukeshla)の非常に美しい手縫いとリネンは、私のお気に入りです。ポピー・リシワン(Poppy Lissiman)はぜひ見て欲しいお店です。彼女のサングラスとハンドバッグは、アメリカとオーストラリアの両国に旋風を巻き起こしています。ビヨンセが最近のミュージックビデオでポピーのサングラスをかけていました」とエリザベスは言います。
モリソンのショップは、シティ中心部から南西に車で20分のクレアモント(Claremont)にあるクレアモント・クォーター(Claremont Quarter)と、その近くの魅力的な港、フリーマントル(Fremantle)にあります。フリーマントルへは、パースから南西に車で30分です。またフリーマントルには、ブケシュラのお店もあります(営業は木曜日~土曜日)。フランネルは、パース中心部から西へ車でわずか12分の都心西側の町スビアコ(Subiaco)と、シティ中心部から南西に車で30分の海辺の町コテスロー(Cottesloe)に店舗を構えています。
コテスローで、海沿いのブティックを見る
パースならではのボヘミアンスタイルを旅に取り入れるのはいかがでしょう。海水浴やシュノーケリング、サーフィン、ショッピングで人気の高いパースの町、コテスロー(シティ中心部から南西に車で30分)は、ビーチのあるのんびりした土地ですが、デザインに関しては非常に先進的です。「私はコテスローに行くことが多いような気がします。ここは、国内外のブランドにフォーカスし顧客体験も重視する、という同じ志を持った独立系のビジネスが多く集まっています」とエリザベスは言います。
ナポレオン・ストリート(Napoleon Street)は、ラブ・ストーリー(Love Story)、ACO、ボエーム・ラックス(Bohème Luxe)などが軒を連ねる、マルチブランド・ブティックの中心地です。イザベル・マラン(Isabel Marant)やステラ・マッカートニー(Stella McCartney)から、アニーン・ビング(Anine Bing)、ウラ・ジョンソン(Ulla Johnson)まで、気になるブランドはほぼすべて楽しむことができます。
ここでちょっとアドバイス
「ディストリクト(District)の、ヨーロッパのデザインブランドのコレクションは印象的です」とエリザベスは言います。この店は、パースのシティ中心部から西へ車で10分ほどのスビアコにあります。
コテスローの隣町ペパーミント・グローブ(Peppermint Grove)には、地元オーストラリアの家具デザイン会社ジャーダン(Jardan)のパースの旗艦アウトレットがあります。エリザベスによれば、ここは「必見」だそうです。ジャーダンのソファをスーツケースに収めることはできないかもしれませんが、豪華なホームウェアやテキスタイルには惹かれるかもしれません。
フリーマントルでレアで面白い商品を発掘する
何か珍しい物を探しているなら、パースのシティ中心部から南西に車で30分のフリーマントルの港は見逃せません。「この地域にも素晴らしい店があります」とエリザベス。「イースト・フリーマントル(East Fremantle)にはサヴィー・ブランズ(Savvy Brands)やアトリエ(Atelier)があり、サウス・テラスにはパースのブランドであるモリソンやジンジャー・モリス(Ginger Morris)そしてイリディセント・シー(Iridescent Sea)などがあります」。
フリーマントルの古いディーゼル工場だった建物を利用した「スタックウッド(Stackwood)では、地元の制作者が展示を行ったり、陶器や織り物などの教室を開いたりしています」とエリザベスは言います。「ここは美しく活気に満ちた場所で、いつも刺激を受けています」。
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パースの人気マーケット
アートを見る、アートを買う
「パースには、非常に高いレベルのアートがあります」とエリザベスは言います。「全く気取っていませんし、とても身近なのです」。西オーストラリア州では、アボリジナル文化の人気が高まっています。それを象徴するように、パースには「非常に多彩なアボリジナルピープルの芸術作品」があり、その多くはシティ中心部の西オーストラリア美術館(Art Gallery of Western Australia)(AGWA)に収蔵されています。
この素晴らしい施設には、1800年代から今日までの著名な国内外のアーティストの作品を集めた、ステート・アート・コレクション(State Art Collection)もあります。
コレクションを見た後は、併設のAGWAショップ(AGWA Shop)でジュエリー、アート、デザイン関連の書籍、さらには化粧品などを見て回るのもいいでしょう。
何かのジャンルのコレクションをしているのなら、スビアコ、ウエスト・パース(West Perth)、そしてその近くのスワン・バレー(Swan Valley)といった町にもショッピングに立ち寄りたいと思うかもしれません。そこにある、リントン・アンド・ケイ・ギャラリーズ(Linton & Kay Galleries)には、「アボリジナルアートから彫刻や現代絵画に至るまで、定評あるアーティストとともに新進気鋭のアーティストの手による非常に優れた作品が揃っています」とエリザベスは言います。ワンポイントアドバイス:パースを訪れる前に、リントン・アンド・ケイのウェブサイトをチェックして、販売中の作品を確認しておきましょう。